▲インタビューは4月14日、ソウル市鍾路区三清洞のカフェで行われた。BoAは16日に全羅南道珍島沖で発生した旅客船「セウォル号」沈没事故を受け、出演映画のVIP試写会やメディアとのインタビューを中止するなど、国家的な哀悼ムードに賛同した(写真=キム・ジョンウク記者)。

 若くして歌手デビューし、今年28歳となるBoA。3年前、女優デビュー作で初の映画『Make Your Move』に出演し、イメージチェンジを図った。

 BoAは最近、歌手から女優へと新たな領域を開拓するのに忙しい。映画『ビッグマッチ』の撮影の合間を縫ってようやく時間を作り、BoAは17日に公開された映画『Make Your Move』のプロモーション活動に乗り出した。

 同作は韓米合作映画。SMエンターテインメントとCJ E&M、米国のロバート・コート・プロダクションが共同制作した。

 女優BoAの姿は、昨年放送されたドラマ『恋愛を期待して』(KBS第2)、今年初めにゲスト出演した映画『官能の法則』などで見られたが、撮影の順番としては『Make Your Move』が先だ。

 同作は『フラッシュダンス』『ステップ・アップ』などのようなダンス映画。「アジアの星」BoAにとって、女優としての第一歩を踏み出すに当たり、これ以上ふさわしい作品があるだろうか。一見、意図したイメージチェンジに見えるが、BoAは『Make Your Move』に出演するまで、女優としての人生は一度も考えたことがなかったという。

 「歌手活動で忙しいときだったが、監督が日本まで来てくださり、直接台本を受け取った。ユーチューブで私の映像を見て、主人公アヤはぜひ私に演じてほしいと思ったとのことだ。もちろん、最初は私も『急になぜ映画?』といぶかしく思った。でも、キャラクターが私と似ている部分が多いし、ダンスが好きなので、映画でお見せできるものが多いだろうと思い、オファーを受けた。ダンス映画ということで女優業をスタートさせたのだが、演技というものに新たに目を向けるようになった」

 映画でBoAが演じたアヤは日本で育ったが、アメリカンドリームを追って渡米した韓国人。ダンスグループCOBUのリーダーで、タップダンサーのドニーと一目で恋に落ちるが、ライバル関係にあるクラブを運営する兄たちの反対で二人は危機に直面する。

 何事もスタートは難しい。女優としての第一歩もそうだった。役柄上、韓国語や英語、日本語を自由自在に使いこなし、ダンスで感情を伝えるのと同時に、相手俳優とは濃厚な愛情表現まで行わなければならなかった。その中でも特にBoAを苦しめたのは英語での演技だった。

 「韓国語で演じるのも難しいのに、多くのセリフを英語で、しかもネーティブのように話さなければならないということに、すごく重圧を感じた。劇中、アヤがドニーの家を出て歩いていくシーンで、兄のカズが来て韓国語、日本語を混ぜて話すので、ドニーが『分かるように話して』ともどかしそうにするではないか。まさに私がそういう気持ちだった。特に、相手俳優がアドリブを言ったときはなおさらだった」

 そうは言うものの、BoAの英語の実力は期待以上だ。この映画は『ステップ・アップ』の脚本家で、全シリーズの原案を手掛けたデュエイン・アドラーが演出に初挑戦した作品。BoAの相手を務めたトニー役のデレク・ハフも、演技は今回が初めてだった。BoAは「みんな経験がなかったので大変だったが、初めてだったからこそ、情熱は最高の現場だった」と撮影当時を振り返った。

 BoAは今後も女優業を続ける考えだ。「私の場合は『専業』ではなく『兼業』」と強調した。

 難しいのはどちらも同じだ。「歌手は体は楽だが、ファンの期待値が高く気苦労が絶えないし、演技はまだ勉強段階なので気持ち的には楽だが、体が言うことを聞かない。この世に簡単な仕事はない」と語った。

 ステージと演技の魅力としては「情熱」と「心の通じ合い」をそれぞれ挙げた。トップ歌手から新人女優を経て、マルチエンターテイナーへと向かっているBoAは「歌手は一人でする作業で、ステージで自分を最大限華やかに見せなければならない。一方、演技は多くの人と一緒にする作業で、自然なのが最高ではないか。そのような極端な魅力がプラス、マイナスに作用している」と話した。

 BoAは女優として活動するときも、ほかのアイドルたちとは異なり、クォン・ボアという本名ではなく、歌手活動をするときの名前をそのまま使っている。「ステージ上で歌おうとカメラの前で演技をしようと、同じBoAなのにあえて名前を使い分ける必要があるだろうか」と逆に聞き返したBoAは「もちろん、まだ『女優BoA』という修飾語は慣れないし、ぎこちない。それでも撮影現場でスタッフが『女優さま』と持ち上げてくれると、気分がいい」と言って笑った。

 BoAは来月、イ・ジョンジェらと共演する映画『ビッグマッチ』の撮影を終えたら歌手活動を再開する。久しぶりに日本でアルバムをリリースするという。これだけでもスケジュールがびっしり詰まっているように思えるが「機会があれば映画をもう1本?」と欲を示した。

 「もう20代も最後。10代最後を4thアルバム『My Name』で忙しく過ごしたように、今年も充実した1年になると思うので、心が満ち足りている。最近『もうすぐ30歳だけど不安にならない?』と聞かれることがあるが、そんなことはまったくない。むしろ、10代から20代になるときがそうだった。私は今、本当に幸せ」

◆BoA、グラビアギャラリー

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