▲(1)11日夜(現地時間)、米国テキサス州オースティンで行われたイベント「K-POPナイト・アウト」ではロックバンドCrying Nutのステージが熱狂的な反響を呼んだ。この日の観客のほとんどは現地の人々だった。(2)韓国のミュージシャンたちの合同公演「K-POPナイト・アウト」に突然やって来たレディー・ガガ。/写真提供=韓国コンテンツ振興院

 韓国ロックが米国本土に本格上陸した。世界的なポップスター、レディー・ガガも韓国人ミュージシャンのライブ会場を訪れた。

 3月11日(現地時間)夜、テキサス州オースティンで行われた米国最大規模の音楽フェスティバル「サウス・バイ・サウス・ウエスト(SXSW)」のイベント「K-POPナイト・アウト」にレディー・ガガが姿を現した。チャンビナイ、Nell、Hollow Jan、Crying Nut、IDIOTAPEに続き深夜24時20分ごろ、Jay Park(パク・ジェボム)のステージが始まるころだった。帽子とサングラスをかけて現れたガガは、ボディーガードを引き連れて韓国人ミュージシャンの公演が行われたクラブ「エリシウム」に姿を見せ、驚いた観客たちに手を上げて応えた後、ファンと写真を撮って自身のツイッターに掲載した。

 2007年にユン・ドヒョン・バンドが最初に切り開いたSXSW。今年は韓国人ミュージシャン14組が参加し、過去最大規模の公演を行った。レディー・ガガが来たことは、韓国ロックの地位をあらためて証明している。世界各国のバンド2000組以上が100以上のクラブや会場でステージに上がるSXSWは1987年に音楽祭として始まり、今では映画、インタラクティブ・メディア、ゲームなど国際的な展示会へと発展、毎年観客30万人を集める大規模イベントになった。世界有数の報道機関やイベント企画会社、芸能プロダクション関係者が来場し、新たなミュージシャンを発掘することでも知られている。

 「K-POPナイト・アウト」は昨年から開催されている。今年の公演は、開始前から大勢の観客が会場前で長蛇の列を作るという光景を生み出した。クラブから人が出て来るたび、同じ人数だけ中に入っていくという場面も見られた。

 今年最初にステージに立ったのは、国楽(韓国の宮廷音楽)とヘヴィメタルをミックスしたバンド「チャンビナイ」だった。韓国の琴「コムンゴ」や弦楽器「ヘグム」が強烈なロックサウンドをリードし、ギター、ベース、ドラムがこれを支える韓国ならではの音楽だった。そして、これまで何度もSXSWに参加しているCrying Nutが登場すると、観客たちの盛り上がりは最高潮に達した。「夜が深まった」「良くないのか」「馬を走らせよう」などのヒット曲が演奏されると、観客の約70%を占めた現地の人々はリズムに乗って体を揺らした。観客のモニカ・スタントンさん(23)は「K-POPに興味を持ちここに来たが、これほど強烈な韓国ロックがあるということは初めて知った。Crying NutのCDを買わなくちゃ」と語った。

 Crying Nutに続いてステージに上がったIDIOTAPEは、DJ二人とドラム一人というメンバー構成のユニークなエレクトロニック・バンド。彼らの独創的なサウンドはクラブ全体を巨大なダンスフロアにした。IDIOTAPEはSXSWの総監督ジェームズ・マイナー氏が「最もオファーしたいバンド」と言ったバンドだ。

 SXSWはユン・ドヒョン・バンドが捨て身で挑戦を始めたフェスティバルで、11年からは「ソウル・ソニック」という名称になり、韓国のミュージシャンが多数参加している。10年までは日本が「ジャパン・ナイト」を開催し観客を集めたが、「ソウル・ソニック」が始まってからは韓国のミュージシャンの方が大きな反響を呼んでいる。ユン・ドヒョン・バンドは今年も12日にここでライブを行い、13日夜には「ソウル・ソニック」が行われる予定だ。今年の「ソウル・ソニック」ではSmackSoft、Big Phony、Glen Check、Nobrainなどがステージに立つ。10日夜にはRock‘N’Roll RadioとGlen Checkが韓国の文化産業関連企業PRイベントで記念パーティーのステージに登場、現地の観客たちに華麗なパフォーマンスを披露した。一方、同日の「K-POPナイト・アウト」に参加する予定だった「チャン・ギハと顔たち」は公演ビザが発給されず、ステージに立てなかった。「ソウル・ソニック」のバーニー・チョ代表は「K-POPが韓国音楽に対する関心を引き出したとすれば、今回は本格的な韓国音楽を米国に知らしめることができた」と語った。

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