【ソウル聯合ニュース】ソチ冬季五輪のフィギュアスケート女子で、ミスのない演技だったにもかかわらず銀メダルに終わったキム・ヨナは採点を疑問視する声について、あらためて結果に未練がないといの思いを明らかにした。

 キム・ヨナは4日、ソウル市内で開かれた帰国歓迎イベントでソチ五輪後、初めてファンと会った。約50分間行われたトークショーでは、選手生活の最後の舞台となったソチ五輪を終えた感想や現在の感情などについて語った。

 ソチ五輪ではミスのない演技をしたにもかかわらず、ロシアのアデリナ・ソトニコワに及ばず銀メダル。国内外から採点を疑問視する声が広がり、同イベントでも採点が話題になった。共に五輪に出場した金海珍(キム・ヘジン)と朴韶妍(パク・ソヨン)は「今でもあの時のことを思い出すと、辛くなる」と不満を示した。

 だがキム・ヨナはいつも通りクールに「あきれるとの思いはあったが、終わったということが私には良かった」とした上で、結果について振り返らないと話した。

 また「大会前は金メダルがどうしても欲しいわけではないと言いながらも、『金メダルが取れなければ悔しくないだろうか』と思っていたが、終わってみると、やはりそれほどこだわりがなかったと感じた」と結果に未練がないことを強調した。

 演技を終えた後に流した涙については、「ショートプログラム(SP)を終えた後も、夜にベッドに横になってこの時がきたことが信じられなくて、こみ上げてくるものがあった」と、これまで我慢してきた辛かったことが思い出されたと説明した。

 「我慢してきた辛かったこと」がどんなものであったのか、垣間見ることもできた。

 キム・ヨナは、スケートを始めてからは他に体を使うことをしたことがないため、今でも自転車に乗れないと語った。また2010年のバンクーバー五輪の後にトロント近郊に遊びに行って以来、どこにも行っていないことなど、競技以外は何もできなかった選手生活を振り返った。

 引退については、「スケートを見るのも嫌になってずいぶんたつ」と冗談を言い、「やるだけやったので何の未練もない」と語った。

 自身が選ぶ最高の舞台にはSPとフリーの両方でノーミスだったバンクーバー五輪とソチ五輪、2013年の世界選手権を挙げた。

 引退後については、「したいことを一つだけ挙げるのは難しく、もっと考えてみなければならない」とした上で、「当分、競技の緊張感から抜け出してゆっくり過ごすことだけで幸せ」と語った。

 10年後については、自身を「フィギュアスケート以外は何も分からない人」と評し、指導者をするにしても、ほかの仕事をするにしても、フィギュアスケートから離れることはないと説明した。そして、「後輩たちに私が知っていることをずっと伝えていきたい」と胸の内を明かした。

 ソチ五輪後の目標としていた国際オリンピック委員会(IOC)の選手委員を目指すことについては、慎重な態度を見せた。「選手委員選挙に出る資格は備えたが、100%なれる保障があるわけではない」とした上で、「具体的に考えてみなければならないが、まだそこまでは考えていない」と話した。

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