総合格闘技選手の秋山成勲(韓国名・秋成勲〈チュ・ソンフン〉)は、アクション漫画から出てきたように、荒々しく孤独なイメージのファイターだった。2008年に牛乳のCMで、それまでとは違う新たな魅力を見せた秋山成勲が最近、娘の紗蘭ちゃんとともに、リングではなくバラエティー番組で活躍している。その番組とは、昨年9月から出演している『スーパーマンが帰ってきた』(KBS第2)。

 イ・フィジェ、チャン・ヒョンソン、Epik HighのTABLOとともに、母親抜きで子どもたちと過ごす48時間の様子を見せる同番組は、最近3週連続で秋山成勲&紗蘭ちゃんのエピソードが最高視聴率(TNmS調べ)を記録。視聴者から人気を集めている。

 14日に東京都内の自宅近くのカフェで会った秋山成勲は「予想外に気に入っていただき驚いている」と語った。さらに「昨年夏に最初にオファーを受けたときは断った。まだ2歳の娘がテレビに出ることに負担を感じたからだ。だが妻(SHIHO)が、もしかしたら紗蘭にとっていい思い出になるかもしれないと言った。何より、紗蘭が少しでも韓国語を学べる機会になるのではないかと思った。娘の名前を紗蘭と付けたのも、韓国語のサラン(愛の意、紗蘭と発音が似ている)を意識したもの」と話していた。

 紗蘭ちゃんはブドウとのりが大好きで、これらを見ると目を輝かせて美味しそうに食べ、鼻の穴をほじくっていた指をなめてしまう。番組では歯磨きが嫌いで逃げ回る紗蘭ちゃんの姿、秋山成勲が娘を笑わせようと、諸肌を脱いでミッキーマウスの帽子をかぶる姿なども放送。秋山成勲親子は最近、人気スターばかりが出演する移動通信会社のCMモデルになった。他局のバラエティー番組で秋山成勲親子をパロディー化したコーナーを設けたものの、視聴者から非難され、1度きりで廃止となる騒動もあった。

 秋山成勲のコーナーは、3週間に1回の割合で制作スタッフが東京を訪れ、親子の48時間を撮影する。自ら「60-70点の父親」と思っていた秋山成勲は、水族館のイルカに夢中になった娘を見て退屈しているのと誤解したり、柔道を教えようと体育館に連れていき、柔道着を着せようとしたところかえって泣かれるなど、子育てに不慣れな父親という感じだった。60-70点でも甘いくらいだ。

 「選手生活を送り、テレビの画面に出るときは必ず『格好よく見せよう』と思っていた。今はまったくカメラを意識しない。どうすれば子どもが難なく撮影に臨めるかだけを考えている。まだ紗蘭の性格がよく分からないが、だいぶ親しくなれたと思う。子どもと一緒に風呂場でバタ足をしながら洗ってやることなど、以前は考えられなかった。それに、今では『パパ』『ママ』だけでなく(韓国語で)『アッパ』『オンマ』と言う。最初にこれを聞いたとき、どれほど胸が熱くなったことか」

 スーツに黄色いスカーフを巻いたり、半そでTシャツにダウンベストを合わせるなど、毎回独特のファッションセンスを見せていることについて、秋山成勲は「うちの娘に、素敵なボーイフレンドとデートをするような感覚を与えたいと思い、当然格好よく見せたくて、そういう着こなしをしている」と語った。

 秋山成勲は『スーパーマンが帰ってきた』のおかげで子育ての楽しさを知った。秋山成勲は「紗蘭が便秘で苦しむシーンがあった。視聴者の皆さんが『便秘にはサツマイモがいい』『リンゴを食べさせるように』などと連絡をくださった。親の心というのは皆同じようだ。滋賀県にある妻の実家にも、番組をDVDに録画したものを送っているが、妻の両親がとても喜んでいる。おかで私も株が上がった」と話した。

 娘が非常に人気を集めているが、秋山成勲は出演の期限を慎重に考えている。「あまりテレビに出すぎるのは子どもによくないという意見に共感する。妻とも最近話しており、時期はまだ決めていないが、子どもが5、6才になるまで続けるつもりはない」。父親と同様、自身も柔道選手として活躍した秋山成勲に「紗蘭ちゃんにも柔道をさせたいか」と尋ねた。秋山成勲は「紗蘭が9歳になる2020年、東京でオリンピックが開催される。そのとき会場に連れていこうと思う。娘が『やりたい』と言えば、全幅の支援を惜しまないつもりだ」と答えた。

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