1月3日午後9時、ソウル市麻浦区合井洞の映画館で、ソン・シホプ監督の『プランマン』(9日公開・15歳以上観覧可)の試写上映が終わると、客席にいた男性たちが口を開いた。スーツを着た20代後半の男性2人は「ハン・ジミンって歌もあんなに上手かったのか」「猫のコスプレをした姿がすごくかわいかった」と話した。また、50代の男性は「黒のアイメークをしてもやさしそうに見えるんだな」と言ったとき、隣に座っていた、妻とみられる女性は口をぎゅっとつぐんでいた。この映画を見て、笑ったり泣いたりしたとしたら、それは全てチョン・ジェヨンの演技があったからだろう。ところが、男性たちが話していたのはハン・ジミンのことばかりだった。

 ハン・ジミンは「アンチ」や「悪質な書き込み」を探すのが難しいぐらい、世間から一貫して支持されている女優。ドラマ『オールイン 運命の愛』でソン・ヘギョの子ども時代を演じ顔を知られるようになった後、ハン・ジミンは愛されキャラを演じてきた。折れそうに華奢ながらも決して折れないたくましさを持つ女性。その上、こつこつとボランティア活動をしてきたことまで公になり、ハン・ジミンのイメージは、自然人ハン・ジミンのイメージとそのまま重ねられた。『プランマン』でボサボサ頭のまま、焼酎を片手にホルモンを食べるインディーズ歌手ユ・ソジョンを演じたときも、やはりハン・ジミンははかなかった。

 6日に会ったハン・ジミンはゴムまりのように弾けていた。

-エレガントで清純なイメージに飽き飽きしていないか。

 「ドラマでは女性的でエレガントだったり『キャンディー』のようなイメージで描かれてきた。似たような役を演じるのは、私も息が詰まる。私を本当に応援してくれている人なら、違う役に挑戦する姿を見たがるのではないか。だから、映画ではキャラクターが生きている役を探してきた。『プランマン』のソジョンは、自由奔放なバンドボーカルというのが魅力的だった」

-そのようなイメージチェンジするための努力までも模範的に見える。学生時代も模範生だったのでは?

 「模範生とまではいかないが、学校で言われたことは全てやったし、内向的だった。一緒に暮らしていた祖父母が厳格だったので、スカートの中に必ずズボンを履いていたし、肌着も常に着ていた。姉がお酒を飲んで帰ってくると、待っていて小言を言っていた」

 『プランマン』は潔癖症と強迫性障害により、全てを計画して生活しなければならないハン・ジョンソク(チョン・ジェヨン)が、片思いする女性のため病気を治そうと、歌手志望のユ・ソジョン(ハン・ジミン)の助けを借りるという物語。歌手志望の女性を演じたハン・ジミンは劇中、歌を歌うが、ハン・ジミンの才能を知らなかった人は驚いたはずだ。自分を翻弄した所帯持ちの男に向け「なぜ指輪を外すの? なぜ電話を切るの? なぜメールを無視するの? なぜケータイは二つなの?」と歌いながらからかうときは、痛快な感じさえする。

-そのような人が女優をしているというのが不思議だ。

 「デビュー当初、演技が上手くできなかったときは、とても怒られた。一緒に仕事をする人たちに迷惑をかけているようで、とても自信がなくなった。それでも今は、やりたいことは全部やるようにしている。もう30歳も過ぎたので、他人に気を遣って自分の好きなことができないというのはおかしいと感じたし。今は友だちと旅行に出掛け、クラブにも行くし、バーでお酒も飲む」

 「お酒?」と聞き返すと、「お酒は好き」と答えた。

◆ハン・ジミン、グラビアギャラリー

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