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イメージ失墜RAIN、再起なるか
K-POPを世界に知らしめた、韓流の第1世代。その先鋒となった歌手RAIN(ピ、本名:チョン・ジフン)=31=が2日、除隊後初めてとなる6thアルバム「Rain Effect」を発表し、韓国歌謡界に帰ってきた。RAINは2002年にデビュー後、たちまち人気を集め、06年には米国ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでもコンサートを行った。
だが、その後はさまざまな中傷や悪質なうわさに悩まされてイメージがダウン。さらに、軍入隊中だった昨年には、公務での外出中に女優キム・テヒと密会していたことが発覚し「世界的なK-POPスター」から「好感の持てない芸能人1位」へとたちまち転落した。果たして再び復活するのか、このまま消えていくのか。岐路に立つRAINは6thアルバムを引っさげ、正面突破の形で勝負に出た。
■崖っぷちのRAIN、「人間味」に期待
RAINの復帰戦略は「人間味」。RAINは昨年12月にスタートした音楽専門チャンネル「Mnet」のリアリティー番組『RAINエフェクト』で事実上、韓国での活動を再開した。番組でRAINは意を決したかのように、自分の日常をさらけ出している。ステージ上で上着を裂き、男らしさ全開でフェロモンを振りまいていたRAINが、家でペットのふんを片付ける姿までテレビで公開したのだ。「30歳を過ぎたら、体が全くいうことを聞かない」などと自虐的な言葉もはばかりなく口にする。自らを徹底的にベールで包んでいたトップスターがこんな姿までさらけ出すということは、再起を前に、いかにRAINが追い詰められているかを示している。
RAINはリアリティー番組で自身をさらけ出すことが、世間の非難を静めることにつながると考えているようだ。アルバム発売の半月前というタイミングで、しかもアルバム名と同じタイトルのリアリティー番組で人間的な一面を見せることで、自分の復帰に対する否定的な目線を和らげることができるからだ。そのせいか、番組の中で「努力するRAIN」は「僕は本当に悔しい」と訴え掛けているようにも見える。
■「僕も30代、もう服は破かない」
「もう(服を)破いたり脱いだりしないつもり。最近はセクシーできれい、かつカッコいいヤツらが多い。SHINeeやBIGBANGのメンバーとか」。アルバム発売を前に行われた記者懇談会で、RAINは自ら記者団の方に近づいた。年上の記者に向かって「ヒョンニム(目上の親しい男性に対する呼び方)」と呼び掛けたかと思えば、かつて訴訟を起こして関係が悪化していたスポーツ紙の記者に「恨みはもう解きたい」と言って抱き合う場面もあった。これが、かつて高慢ともいわれていたRAIN本人なのかと疑うほどだった。だが、RAINに「東方神起も同じ日(1月6日)にアルバムを発売する」とのニュースが伝わるや、RAINの表情は一気にこわばった(結局、RAINはアルバム発売日を4日前倒しした)。
各種の訴訟や軍の服務規律違反など、自身にとってマイナスの出来事については「僕は芸能人で初めて、国の3大機関(国防部〈省に相当〉、検察、警察)の全てから調査を受けた人物」と言ってやり過ごす余裕も見せた。だがすぐに真面目な顔つきで「世間の皆さんは僕の親に等しい。僕を生んでくれ、僕がきちんとやっていけるよう育ててくれた。だから息子(である僕)を叱れるのだと思う。メディアの集中砲火を浴びたのは悔しいし、心もすり減ったが、今が新たなスタートだと思っている」と語った。かなり時間をかけて準備した言葉のように聞こえた。交際中のキム・テヒとの関係については「お互いとても忙しいので、電話で話している」と答えるにとどめた。
■「成功強迫症」に悩むカメレオン?
素顔をさらけ出して再びスタートラインに立ったRAIN。そのRAINを見詰める世間の目はまちまちだ。本気なのか、うわべだけなのか、とさまざまな見方がある。精神科医のユ・ウンジョン博士は「RAINのような人はハングリー精神が強く、どんな環境にも自分を適応させるカメレオンのようなタイプだ。成功に対する強迫性障害を患っているのではないかと思えるほど、目標達成に対して積極的。自分をさらけ出しているのも、RAINがこのようなタイプだということを考えれば理解できる」と分析した。
RAINの復活について、テレビ関係者たちは、成功に対する強い野望があるため、ある程度成功すると見ている。MBCバラエティー局のミン・チョルギ・プロデューサーは「現所属事務所の社長(ホン・スンソン・キューブエンターテインメント社長)はかつてJYPエンターテインメント時代にRAINの成功をお膳立てした。これはかなりプラスの材料だ」と述べた。別の地上波テレビ局の音楽番組のプロデューサーは「ダンスのできるソロ歌手としては明らかに実力があるが、SHINeeでさえもEXO(人気アイドルグループ)に押されるほど実力派アイドル同士がしのぎを削る中で、RAINが以前のようなポジションに上り詰めるのは難しいのではないか」との見方を示した。
RAINは果たして成功するのか。その鍵は、RAINが「親」と考えている大衆の手に握られている。
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