映画で未来に行った研究員役…取り戻したい過去? ありません。

 キム・オクビン(26)には他の女優より3、4倍広い空間が必要だ。彼女は話すとき、声をマネするのはもちろん、腕をぐるぐる回したり、イスを動かしたりもする。彼女は状況や感情をそのまま伝えなければ我慢できないような欲望と、それを実現できる力を持っている。

 最近出演した映画『AM11:00』(キム・ヒョンソク監督、28日公開)は、キム・オクビンのそのような欲望と力を見せるのに、多少狭い空間のようにも思える。時間移動プロジェクト研究員ウソク(チョン・ジェヨン)とヨンウン(キム・オクビン)は、24時間後の明日午前11時への時間移動に成功する。しかし、明日の研究所はすでに廃墟となったため、彼らは未来のCCTVを今日に持ち帰り、災難を防ごうとする。

 「監督はヨンウンがこの映画のカギを握っている人物だと言って、分かるような分からないような、本音を見せない顔を望んでいました。カメラの前で感情を表現することに慣れているので、(感情を隠すことが)初めは少し大変でした」

-映画のように、未来に行きたいということを考えたでしょ?
 「この映画を撮影しながら、もちろん時間移動についての想像をしました。でも、未来のことを知りたいとは思わないです。その代わり、いつ死ぬかということだけは知りたいです。そうすれば自由に生きられるので」

-過去の失敗を正すため、過去に戻ることもできるとは思いませんか?
 「失敗したときに戻りたいとは思わないです。むしろ、子どものころ、地元で友だちと泳いだり、家に走って帰ったりしていたころに戻りたいです。それが一番いい思い出なんですよ」

-デビューして8年になりますが、これまで後悔したことがないということですか?
 「わたしがデビューした二十歳のころは、どうしようもなかったですね。監督からキャラクターの感情を理解できていないと言われて、泣いてわがままを言って。監督がマネジャーに“あの子、ちょっとどうにかして”と言っていたぐらいですから。ところが、最近は現場がそんなに楽ではないです。そのように変わった自分が誇らしいです。過去に後悔はありません」

 10代後半、オンラインで「オルチャン(イケメン・美女の意)」として知られるようになった後、女優としてデビューキム・オクビン。インタビューやバラエティー番組での発言で、しばしば痛い目にも遭った。2年前には「日なたに通うような感じがいい」と当時の恋愛を自ら公表した。女優としての彼女を強く認識した人々は、大部分が映画『渇き』を見たはずだ。初めての欲望を発揮するふらちなバンパイア役を演じた彼女は「この映画で、ダークなイメージが付きました。実際は逆ですが」と話した。

-感情表現が積極的で、正直な方ですね。
 「恋愛するときは、よくないと思います(笑)。好きなら好き、嫌いなら嫌いと表現しますから。その代わり、カッと怒って5分後に後悔します。その5分を我慢できない自分が嫌いになることも多いです」

 彼女は最近、妹と欧州旅行に行く計画を立てている。その後は、「劇的な感情表現をするので好きになった」インドのボリウッド映画を見るため、インドを回りたいという。

◆キム・オクビン、グラビアギャラリー

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