BIGBANGのT.O.P(チェ・スンヒョン)が再び制服を身にまとい、銃を手にした。一度は学徒兵として国を守るため、そして今回は韓国に派遣された北朝鮮のスパイとして、家族を守るため仕方なく人を殺す―。6日公開の『同級生』(パク・ホンス監督)はT.O.Pにとって2本目の映画で、初主演作といえる。3年前のデビュー作『戦火の中へ』では新人賞を三つ手にした。授賞式で、その人気ではなく演技力で賞を手にしたアイドルはT.O.Pが唯一だろう。

 映画の公開を前に、ソウル市内のカフェで会ったT.O.Pは意外にも慎重だった。金や人気のために演技をすることはない、と言い切るT.O.P。新作として『同級生』を選んだ理由も「真剣に臨める作品だと思ったから」だ。

 「最初にタイトルを見たときは学園物だと思い、避けていたのだが、もう一度見てみたら違っていた。真剣な映画で、真剣に演じてみたかった。周りの人たちから予想観客動員数を聞かれるのだが、僕はそれより拍手をもらえる映画になってほしい」

 T.O.Pは『同級生』で、高校生になりすまし韓国に潜入した工作員、リ・ミョンフン役を演じた。T.O.Pの二重生活は映画の外でも続いた。およそ4カ月間は月曜から木曜まで映画俳優として、金曜から日曜まではBIGBANGのメンバーとして過ごした。T.O.Pは映画の撮影とBIGBANGのワールドツアーを並行していた昨年7月から今年1月までを「今まで生きてきて一番つらかった」と振り返る。

 右手の甲には大きな傷がある。銃やオートバイなどを用い、映画で激しいアクションシーンを代役なしにこなしてできた傷だ。ゆうに20針以上ぬったように見える。家の中でガラス窓を割るシーンで見せた血は、本当に自分の血だという。

 「『戦火の中へ』の撮影をしながら感じたことだが、大きなスクリーンで見ると、全てが見える。自分ができることは最大限するのがいいと思った。最初は、音楽なしに大きな動作を見せるのが大変だった。でも意地で乗り越えた。けがをした当時、ガラスの破片が飛び散り、皮膚が切れて血管が見えそうなほどだった。手術を受けたが、痕が残るかもしれない」

◆BIGBANG、グラビアギャラリー

 デビュー8年になるが、歌謡界でBIGBANGの人気は衰えることを知らない。音楽活動だけでも大変なのに、そこまでして、きつい俳優活動をするのはなぜか尋ねた。

 「子どものころから映画が好きだったが、音楽活動ばかりしていたので、俳優になりたいとは思わなかった。しかし、偶然演技をするようになり、とてもうれしかったことを覚えている。『戦火の中へ』で賞をいただいてから、責任感が生じた。するならしっかりと、きちんとしないとダメだと思った」

 音楽と演技、どちらが好きかと尋ねると、T.O.Pは「ステージで表現するのと、カメラの中で表現するのは、どちらも楽しく幸せだが、そのときによって少しずつ違う。音楽活動をするときは演技がしたいと思い、演技をしているときはステージに立ちたくなる」と答えた。T.O.Pは映画撮影後に準備してきた新譜が今月半ば、映画とともに公開される。BIGBANGのメンバーのうち、最後にシングルアルバムをリリースするT.O.Pは「音楽からも映画からもシナジー効果を受けている。今回のアルバムも、実際に映画『同級生』からインスピレーションを受けながらつくった。とても強烈で戦闘的な、呪文のような音楽になるだろう」とコメントした。

 T.O.Pは自分に厳しい。子どものころからそうだったというT.O.Pは「BIGBANGというグループもそうだし、歌手T.O.P、俳優チェ・スンヒョンにとっても、今がとても重要なとき。上手いか下手かではなく、どんなことをどんな風にするかを悩み、徐々にネジを締めなければならない」と語った。

 歌手で俳優、アーティストとしてのロールモデルとして、母方の祖父を挙げた。T.O.Pの祖父は小説家ソ・グンべ氏。

 「僕は祖父に似たようだ。デリケートで考え事が多い点など、よく似ている。亡くなる前『瞑想で霊魂を太らせろ』とおっしゃった。僕の性格を祖父は知っていたのだろう。祖父の遺言が、僕をむち打つ言葉になった。だから、もっと考える時間を多く取りたいと思う」

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