スターインタビュー
インタビュー:「氷の美少女」キム・ユネ、本当の姿は?
キム・ユネ(22)は画面に氷のような冷たい空気を吹き込むことができる女優だ。そのクールなオーラは肌寒さを感じるような程度ではなく、すさまじい悲しみに近い。チェ・ジンソン監督の映画『少女』でも、氷のように冷たくて硬いが、少し触れただけで音を立てて崩れていくようなもろさを持つ危険な10代の少女ヘウォンを演じた。凍った湖の上をスケートで滑るたび、映像の温度が1度ずつ下がるような気がした。
5日、ソウル・光化門で会ったキム・ユネは、ちょっとしたことを褒めるたびによく笑った。「これまで一番よく言われたのは『冷たくてちょっと変な感じ』という言葉。ドラマでサイコパス(精神障害)の女子高生役を演じたことがありますが、実際の私の性格とはかけ離れている気がします。最初はイメージが固定してしまうようで負担に感じたこともありましたが、今ではほかの人にはない魅力だということに気付きました。これからもいろいろな作品に出られれば、そのイメージを変えることもできるのでは?」
ソウルから転校してきユンス(キム・シフ)は学校でいじめられているヘウォンに関心を持つ。ヘウォンは精神的に不安定な父親と暮らしており、村では「変な子」と言われている。少年少女の残酷な成長物語は、冬場にスケート場になる村の湖で撮影された。「クランクイン前の3週間、午前と午後に2時間ずつスケートを習いました。撮影のため江原道に行ったときは、練習を休んでしまうと勘が鈍ると思ったので、村の凍った湖や田畑でしっかり練習しました。ヘウォンの気持ちが落ち着く唯一のシーンなので代役は立てたくなかったんです。寒さやスケートでちょっと苦労しましたが、それよりも役を理解する方がずっと大変でした。自分の心の傷や痛みを積極的に表現していない子なので。言葉や行動に出さず演技するには、結局『目』しかありませんでした」
テレビ局の子ども合唱団で活動したり幼児番組に出演したりしていたキム・ユネは、11歳のときにファッション誌編集者の目にとまって表紙モデルを務めた。それ以来、雑誌のグラビアやファッション広告写真のモデルとして活動。その年齢ですでに少女と大人の女性の間という複雑で微妙な境界線に立っていたキム・ユネは、子ども服ではなく大人の女性の服を着た。演技活動は21歳のときから。「演技というものに初めて接したとき、グラビアとは違っていてすごく戸惑いましたが、役に完全に入り込む演技に興味を持つようになりました。今回の映画でもヘウォンになったような瞬間を感じました。深い闇を持つヘウォンのことはなかなか理解できませんでしたが、時間がたってみると痛みや悲しみが私に染み込んでくるような…そういうものを感じました」。その感覚は映像を通じて作品を見る人々にも伝わってくる。