19日午後4時、千葉県のJR海浜幕張駅。電車が到着するたびに女性たちがあふれるように出てきて足の踏み場もない。ミニスカート姿で顔にステッカーを貼った10代から、ブランド物のバッグを持つ中年女性まで年齢層も幅広い。彼女たちが向かったのは「ヨン様」ことペ・ヨンジュン(41)らが登場した韓流10周年イベント「Korean Entertainment 10th Anniversary Awards in Japan」(韓流10周年大賞)=幕張メッセ国際展示場=だった。日本国内には反韓・嫌韓ムードもあるが、韓流スターたちに一目会おうと全国各地からファンが集まったのだ。

 「韓流10周年大賞」は、韓流ブームのきっかけとなったドラマ『冬のソナタ』が2003年に日本で放映されてから10年たったのを記念し、日本のテレビ局や芸能事務所などからなる委員会が今年、日本人のファン投票に基づき韓流スターナンバーワンを選ぶイベントだ。事前オンライン投票には韓流ファン20万人が参加した。主催者側は当初、抽選によりこのうち3000人を招待する予定だったが、ファンの強い要望で招待人数を4800人に増やした。

 授賞式は同日午後5時30分からだが、韓流ファンたちは正午から集結し始めた。手にはペ・ヨンジュンや歌手キム・ヒョンジュン(27)ら韓流スターの名前が書かれたプラカードや写真集が。名古屋から来たというカンザワ・フミコさん(53)は「10年たってもヨン様はヨン様。今は日韓関係が良くないが、すぐに以前のように良くなると信じている」と言った。

 会場ではこの10年間に日本で放映された韓国ドラマ映像が流れるたびに拍手が湧き起こった。キム・ヒョンジュンらのライブ公演時は韓流ファンがペンライトを振り、名前を叫んだ。中には歌を歌いながらハンカチで涙を拭うファンもいた。

 授賞式でも「ヨン様」人気は相変わらずだった。冬のソナタは最高の作品賞を、ペ・ヨンジュンは俳優部門で大賞を受賞した。ペ・ヨンジュンがステージに上がるとあちこちからため息や悲鳴が聞こえた。公式スケジュールで日本に来たのは2011年9月以来のことだ。19日午前の日本到着時も羽田空港にファン約2000人が集まり、警察が緊急投入されたと時事通信は報じている。

 ペ・ヨンジュンは受賞あいさつで「10年たってもこのような場に立たせてくださった皆さんに感謝しています。素晴らしい後輩たちがいるので韓流の未来はさらに明るいでしょう」と語った。女優部門ではユン・ウネが受賞した。この「韓流10周年大賞」はTBSチャンネルとDATVで日本全国に生中継された。イベントは午後8時に終わったがファン数百人は名残惜しいのか、しばらくの間会場を離れなかった。

 日刊スポーツは「『冬のソナタ』から始まった韓流ブームは、ドラマや映画だけでなく、K-POPの隆盛にまで波及した。ヨン様が今もなお、数多くの日本人女性の心を揺さぶり続けていることが証明された」と伝えた。駐日韓国大使館韓国文化院のシム・ドンソプ院長は「冷え込んでいる韓日関係の中で、韓流の力を確認できた。韓流と共に両国の民間交流が広がるよう努力する」と述べた。

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