▲国立中央図書館4階にて。イ・ヨンエは「空気のおいしい田舎で家族と幸せに暮らしている今が、ひょっとしたら『宮廷女官チャングムの誓いシーズン2』かもしれない」と語った。イ・ヨンエはここで、来年初めに放映されるドキュメンタリーの一部シーンを撮影した。

 最高視聴率57.8%を記録したドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』(MBC)が今月15日、放送から10周年を迎える。試練や逆境をを乗り越えて王の主治医となった女性のサクセスストーリーを描いたこのドラマは、約90カ国・地域の視聴者に愛され、「韓流コンテンツ全盛時代を切り開いた」と評価されている。このたび放送10周年を迎えるに当たり、ヒロインを演じた女優イ・ヨンエが今月9日、ソウル市瑞草区の国立中央図書館で朝鮮日報の単独インタビューに応じた。イ・ヨンエは「チャングムを演じることができたのは私にとって光栄なこと。ドラマの全ての要素が完璧で、『夢と希望』という普遍的メッセージが込められていたため、多くの人に愛されたのだと思う」と語った。

-撮影中、最も思い出に残っていることは。

 「寒いし睡眠不足だった上、セリフを覚えなければいけないのが大変だった。全国各地を回れたことはよかった。ロケに行くたび、地域の方々が喜んで迎えて下さったことを覚えている。いいセリフも記憶に残っている。亡くなったヨ・ウンゲさんの『時の流れに任せて放っておきなさい』というセリフが一番記憶に残っている」

-料理をする場面で代役を使ったことを残念に思っているのではないか。

 「撮影前、宮廷料理研究院のハン・ボクリョ先生から学び、修了証もいただいた。始めは自分で演じてたが、手を切って救急室に運ばれてからは代役を使うようになった。その後、手の形が変わったことで、インターネットユーザーから『なぜチャングムの手が厚ぼったいのか』と言われ話題になった。それでも当時学んだことを応用し『神仙炉(肉、魚、野菜を煮込んだ料理。宮廷料理の一種)』のような宮廷料理を、最近も家でつくっている。包丁の使い方をしっかり学んだ」

-今年ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏が韓国を訪れた際、夕食を共にしたが。

 「『宮廷女官チャングムの誓い』をご覧になったそうだ。ドラマが『希望』というメッセージを伝えてくれたとおっしゃっていた。海外に出ると、人気を実感する。最近も夫と梨泰院を散歩していて、外国人観光客の方から声を掛けてくださったり。記念撮影にも快く応じている。結婚をし、出産して余裕が生まれたこともあり『ドラマが人気だったとき、海外のファンにもっとよくしてあげればよかった』と後悔している」

-似たようなパターンのドラマが増えたり、制作費が上がるなど、『宮廷女官チャングムの誓い』の副作用もあるとの指摘がある。

 「『宮廷女官チャングムの誓い』のために制作費が上がったのではないと思う。同じようなスケールのドラマに比べ、ずっと制作費は少なかったはず。韓流ブームを過大評価し、一部の俳優に高額の出演料が提示され、似たような番組が企画・制作される雰囲気が問題だったのではないか。韓国のドラマは括目に値するほど成長し、世界のどこに出しても劣らないと思う。ただし、(パターンが)一方に偏っている気がする」

-映画『親切なクムジャさん』(2005年)以降出演作がない。空白期間が長いのでは。

 「20-30代にはほとんどプライベートがなく、仕事に集中していたら、結婚が遅く(2009年)なった。出産し、母親になるのに、周囲を振り返る余裕はなかった。家族と一緒に時間を過ごしたかった。おちゃめな双子を育てていたら、ほかのことに目を向けたりできない」

-1年前、京畿道楊平郡に引っ越した。

 「楊平で平凡な母親として過ごしている今、とても幸せ。両水里で北漢江と南漢江がぶつかる場所に霧がかかると幻想的だ。野菜を育て、子どもたちに旬のものを食べさせている。子どもたちが大きくなったら教育環境について悩むかもしれないが、当分は自然の中で走り回らせてやりたい」

-最近は京畿道の非武装地帯(DMZ)広報大使に選ばれた。

 「母親になって最も切に願うのは平和。これから私の子どもたちが戦争のない平和な国で健康に暮らせるなら、ほかに望むことはない。このような責任感から、快く引き受けた」

-空白期間にいろいろなうわさが流れた。故・金正日(キム・ジョンイル)総書記関連のうわさもあったし、最近ではがん闘病説も浮上した。

 「最近ではある女優さんの義理の母だという話まで出た。ファンの関心の表現がうわさとなり、表出するときがあるようだ。全てのうわさが事実ではないと言いたい。以前はただ我慢していたが、そのまま放置してはいられないようだ」

-来年1月に放送される、食がテーマのドキュメンタリーの撮影に臨んだそうだが、本格的なカムバックの時期は。

 「いい映画やドラマがあったら、いつでもカメラの前に立つつもりだ。今暮らしている楊平の田園生活を独立映画のように撮影したら面白いかもしれない」
 

◆イ・ヨンエ、グラビアギャラリー

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