うっとおしい雨の季節が終わり、本格的な夏休みシーズンが始まった。今年はどこに行こうかといろいろ悩む人が多いだろうが、やはり夏と言えば海ではないだろうか。青い空と海がつくり出す絵のような景色、そしてぴちゃぴちゃという波の音は胸の中までスカッとさせてくれる。

閑麗海上に浮かぶ異国情緒あふれる島「比珍島」と、島内にある「比珍島サンゴ光海岸」

 先週晴れ間を見つけて、南海のきれいな海が見られる3カ所の海岸を訪れた。異国情緒の漂う「比珍島サンゴ光海岸」、カランコロンと美しい音が聞こえる「鶴洞黒真珠モンドル海岸」、韓国で最も安全といわれる「ワヒョン砂森海岸」だ。
■異国情緒たっぷりの「比珍島サンゴ光海岸」

 慶尚南道統営市の南東沖およそ13キロの所にある比珍島。島の名称は「真珠のように珍しく貴重な存在」という意味を持つ。比珍島は、統営旅客ターミナルから船で行ける。船は1日3往復(繁忙期は6往復)運航し、比珍島までは40分ほどだ。

 比珍島には、1本の道を中心に両側に2カ所の海岸がある。二つの島が橋のような道でつながっており、その道の東側には「比珍島サンゴ光海岸」が、西側にはモンドル海岸がある。比珍島を初めて訪れる人は、共存する二つの海岸の美しさに感動する。

東側に比珍島サンゴ光海岸、西側にモンドル海岸という二つの海岸が共存している(写真左が東側)。

 普通の海岸は、海岸に続いてすぐに山や建物がそびえているが、比珍島の海岸は地形的な特性上、海、砂浜、空、雲という爽やかな風景が一度に目に飛び込んでくる。
 もし1泊2日の日程で訪れるなら、夕日と日の出の両方を楽しむという特別な経験もできる。

比珍島では地形的な特性上、海と砂浜、空、雲という景色が一目で見渡せる

 陸地(韓半島=朝鮮半島)から遠く離れているため、比珍島の海岸は水がとりわけ青くてきれいだ。砂が柔らかく水深も浅いことから、水温が比較的高く水遊びに最適だ。海岸の岩場や近くの小さな島々には釣り場も多く、海水浴と同時に釣りも楽しめる。
 また、比珍島には「サンゴ道」という海沿いの道があり、島を1周できるようになっている。島と閑麗海上(国立公園)の風景を一目で見渡すことのできるこのサンゴ道は、望夫石、美人島展望台を経て、島の頂上に当たる仙遊峰(標高312メートル)を巡る約3時間のコースだ。

閑麗海上(国立公園)の風景を一目で見渡すことができる海沿いの道「サンゴ道」

■美しい音の聞こえる「鶴洞黒真珠モンドル海岸」

 慶尚南道巨済市に位置する鶴洞黒真珠モンドル海岸は、全国で最も美しい海岸の一つといわれる。鶴洞という名称は、海岸の形が、鶴が飛ぶ姿に似ているとして付けられた。

 モンドル海岸の特徴は、砂ではなく黒真珠のような黒い小石の海岸が全長1.2キロにわたって続いているということだ。余談だが、この黒い小石がどのぐらいの深さまであるのかと石を一つずつ掘り起こす人たちがいるのだが、皆飽きてしまうという。そのくらい石が多いのだ。

黒真珠のような黒い小石が1.2キロにわたって敷き詰められている「鶴洞黒真珠モンドル海岸」

 また、普通の海岸と異なり、モンドル海岸は景色よりも音が美しいことで知られている。波に揺られて石が転がる際に、きれいな音が出るのだ。

 海岸に波が押し寄せて小石に掛かり、波が引くたびに、独特の音が聞こえる。まるでカエルの群れが「ケロケロ」と鳴くように、小石が集団で「カランコロン」と鳴いているようだ。
■韓国で最も安全な「ワヒョン砂の森海岸」

 「ワヒョン砂森海岸」も同じく巨済市にある。この海岸の特徴は、全国で最も安全という点だ。遠浅で、波が押し寄せると白い砂浜に大きな扇のように広がり、どんなに高い波が来ても海の方に流される心配がない。

 海辺を散策してみると家族連れが多いのが目に付くが、こうしたことからも「安全な海水浴場」だということが分かる。幼稚園児ぐらいの子どもがいれば、砂遊びにも最高の場所だ。

「全国で最も安全な海水浴場の一つ「ワヒョン砂森海岸」

〈関連情報〉

▲比珍島サンゴ光海岸
-住所:慶尚南道統営市閑山面 /電話:韓国055-650-4681
-統営から比珍島行きの船の時間(7:00、11:00、14:30)
-比珍島から統営行きの船の時間(9:10、13:40、16:45)

▲鶴洞黒真珠モンドル海岸
-住所:慶尚南道巨済市東部面鶴洞里 鶴洞モンドル海岸 /電話:韓国055-639-3027

▲ワヒョン砂の森海岸
-住所:慶尚南道巨済市一運面 ワヒョン海水浴場 /電話:韓国055-639-4002

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