13日に行われたPSYの公演のハイライトは、ワイヤーでつり下げられたまま会場の上空を舞うパフォーマンスだった。PSYはこの日、最大23メートルの高さまでつり上げられ、スタジアムを飛び回った。/写真=オ・ジョンチャン記者

 13日、ソウル・ワールドカップ・スタジアムで行われた歌手PSY(サイ)の公演は「音楽で世界を制覇した初の韓国人歌手」の新曲発表ステージということで、オリンピック韓国代表団出陣式のようなムードだった。PSYは公演中に「どうして新曲を最初に韓国で発表するのかと聞かれるけど、(僕は)韓国の歌手じゃないですか」と言って大歓声を浴びた。また「新曲をリリースするとき、このように国中で関心を寄せていただいたことがないので光栄。幸せで胸がいっぱいになる。海外滞在中につらいのはトッポッキ(もちの辛みそいため)が食べたくなったとき。きょうのステージが終わったら、また海外に行って孤独な挑戦をする。皆さんの目の輝きや気持ちを胸に、堂々と頑張りたい」と「韓国を代表する歌手」にふさわしい言葉で喝采(かっさい)を浴びた。

 自ら「海外では僕のことをお笑いタレントだと思っている人もいる」と言って観衆を笑わせ、コミカルなステージ衣装や演出を披露した。しかし、一度も恥ずかしがることはない。それがPSYの魅力だった。たとえば、露出度が高い服を着てビヨンセの曲に合わせ踊る「ビヨンセ・パロディー」や、人気歌手キム・ゴンモの「間違った出会い」を歌ってシャツを引き裂き、出っ張った腹を披露しながらも、表情は終始真剣だった。

 今回の公演で「GENTLEMAN」のミュージックビデオ初公開を除く最大のイベントは、断然「3Dフライング」だった。PSYはスタジアムの天井4カ所に取り付けられたワイヤでつり下げられ、文字通り縦横無尽に飛び回り歌った。

 この日、韓国で初めて披露したフライングは「3Dフライング・システム」と呼ばれるもので、米国FTSI社が保有する独自技術だ。これまでPSYやキム・ジャンフンが公演で使ったものとは違い、ほとんど揺れることなく秒速8メートルというスピードで前進でき、思い通りの場所で正確に止まるようコンピューターでコントロールできる。PSYがフライングを終えて「CAMPION」を歌っているとき、会場内のコンソールボックス(ステージ演出総括センター)では外国人男性2人が抱き合いながら歓喜した。「3Dフライング」を演出した米国人技術者たちだった。無事にフライングが終わったことを喜んだのだ。

 この装置は当初、カメラを取り付けて撮影する装置として開発されたが、後に人をつり下げられるようになった。『スパイダーマン』シリーズをはじめとするハリウッド映画の撮影に使われたほか、ビヨンセ、レディー・ガガ、テイラー・スウィフトがこの装置を使ってPSYのようにフライングをしている。FTSIでは今回の演出のため社員3人が2週間準備に当たったが「楽園」「ガチョウの夢」「いつかは」の3曲の演出に使われた費用は3億ウォン(約2600万円)に達したという。FTSIのエンジニア、ケーシー・ローチさんは「PSYが忙しすぎて十分な打ち合わせはできなかったが、曲を繰り返し聞き、パーフェクトな演出ができた。PSYのコンサートは全世界に向けて(動画共有サイト)ユーチューブで生中継されたため、私たちの技術を見せるいい機会になった」と語った。

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