『太陽を抱く月』では明るく誠実な人間だが立場のせいで父親の愛も得られず、好きな女性とも結ばれない陽明君の青年時代を切なくもピュアに演じた若手俳優イ・ミンホ。19歳ながら幼少期から演技の世界に入った彼はそのキャリアは長い。

―『太陽を抱く月』『屋根部屋のプリンス』で一躍注目の若手俳優となりましたが、最近の注目度の高さをどう感じていますか。

「ネットを見ていたり、街を歩いていると人に見られたりして…少しはそうなのかなと感じています(笑)。正直、注目されるのはうれしいです」

―『太陽を抱く月』では陽明君の人柄と切ない思いがとても伝わりました。この役をどのように感じて演じましたか。

「シノプシスを見たときから、陽明の悲しいキャラにハマりました。そして、とにかくなりきろうと努力しました」

―イ・フォン役のヨ・ジングさん、ヨヌ役のキム・ユジョンさんら年下の演技派といわれる子役との共演の感想は。エピソードを教えてください。

「僕が年上だったので、リードしなくちゃ、とは思いました。それから、やっぱり女の子たちには好かれたいじゃないですか。僕だけじゃなく男の子たちみんなですけど、『オッパ』(親しみを持つ年上男性の呼び方)の地位は争奪戦でしたね(笑)」

―『屋根部屋のプリンス』では子役ではなく俳優として先輩方と肩を並べた位置での演技となりましたが、マンボ役にはどのようにキャスティングされましたか。

「『太陽を抱く月』を監督が見てくださっていて、オファーをいただきました。初めての大人の役どころということで、自分でも期待を持って臨みました」

―ト・チサン役のチェ・ウシクさん、ウ・ヨンスル役のチョン・ソクウォンさんとのトリオが絶妙でしたが、年齢やキャリアが違う3人が呼吸をうまく合わせるために努力したことはありますか。

「正直、最初の顔合わせ、台本読みのときには『合うかな』と不安もありました。でも、監督から『この3人がおもしろくないとドラマが成り立たない』と言われ、3人で頑張って話し合って、コントを作ってみたりもしていくうちに、波長が合ってきました。3人ともウイットがあることがわかったし、楽しい掛け合いができたと思います」

―『屋根部屋のプリンス』での楽しいエピソードをひとつ教えてください。

「ハン・ジミンさんの運転でトラックの後ろに乗っているシーンがあるんですけど、ハン・ジミンさんの運転が何というか…ダイナミックなんですよ(笑)。けっこう乗ってるのが大変で、積んでいる荷物がすっ飛んでいっちゃったことを覚えています(笑)」

―「プリンス」役だったユチョンさんはどんな方でしたか。

「最初は、オーラもあるし、親しくなるのは大変だろうと思ったんですが、優しくて、ユーモアもある方でした。ギャグに対してもけっこう思いが強いみたいで、おもしろいことを言って笑いを取ろうとするんですけど、けっこうすべる(笑)。でも、とてもいい兄貴でした」

―『九尾狐伝~愛と哀しみの母~』を見て「大人になったな」と感じたのですが、ご自身で、子役からの「ターニングポイント」と考える作品は。

「2作品あります。ひとつは『九尾狐伝~愛と哀しみの母~』です。それまでは、演技をやらされていた感じだったのですが、この作品で初めて『責任感を持って演技をやりたい!』と思ったんです。もうひとつは『太陽を抱く月』です。この作品では、演技をするというのを超えて、陽明を心で感じることができ、ひとつ山を越えたようでした」

―『九尾狐伝』には、ラブシーンもありましたが、そのシチュエーションには自信がありますか。

「その当時は、高2だったので、悩みましたね。キスは人生初体験だったので、緊張しすぎて…画面でも感じられますよね。今だったら、自信ありますよ。大人になりましたので(笑)」

―子役時代、悩んだことはありますか。演技をやめたいと思ったことはありますか。

「4歳のときから演技スクールに通っていて、そのころは自分の意志に関係なくなんとなくやっていたんですが、中学のころ、思春期になって、自分のアイデンティティーというか、自分は何をやっているんだろう、これでいいのか、と考えたことがあります。でも結局、演技をやめたいと思ったことはなかったですね」

―自分はどういう男だと思いますか。

「典型的なA型人間だと思います。活発で明かるくて、ネガティブな考え方をします。でも、ネットなどでアンチの人の書き込みなどがあると、すごく心が折れちゃうという気が小さいところもあります。

―日本ファンへのメッセージをお願いします。

「小さいころから、日本など海外で活躍する韓流スターの方たちを見ていて、いつかあんなふうになりたいな、と夢見ていました。日本でファンクラブが設立される予定ですが、そんな夢実現への第一歩だと思って、とても楽しみにしています。早く日本に行って日本のファンの皆さんにお会いしたいです。愛してます!」

今年で20歳になるイ・ミンホ。「かわいい男の子」はその愛らしさはそのままに「素敵な男」に成長した。しかし、年齢的にも容姿でも、子役と大人の俳優の狭間にあり難しさもある年ごろといえる。しかし、イ・ミンホのピュアで柔軟な姿を目にすると、そんな心配はいらない気がする。自然体でこれからも作品を重ねるごとに成長する姿をきっと見せてくれることだろう。

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