19日に放送されたKBSのバラエティー番組『ホドン&チャンミンのMoonlightプリンス』。タレントのイ・ジェリョンとイ・フンが登場し、自分たちが出演しているシチュエーション・コメディーを宣伝するや、司会者のカン・ホドンが語った言葉だ。同番組の視聴率が低く、いくら宣伝してもあまり効果はないだろうという自虐的な発言だ。この日の『ホドン&チャンミンのMoonlightプリンス』視聴率は3.5%(ニールセン・コリア調べ)だった。

 最近、視聴率や話題になっているかどうかなど、番組の競争力に直結する敏感な部分を思い切ってさらけ出すバラエティー番組が増えている。自分たちの弱点や失敗をわざと公表して笑いを取るという戦略だ。カン・ホドンは5日、同じ番組で「うちの番組は記事になるほどの人気番組じゃない」と自虐的な発言で笑いを取った。14日放送のKBS『ハッピー・トゥギャザー』では司会のユ・ジェソク、パク・ミョンス、パク・ミソンがゲスト出演した俳優たちに「(出演ドラマの)視聴率はうちの番組よりもはるかにいいでしょ?」と自分たちの番組が低視聴率であることに言及した。

 昨年9月にはユ・ジェソクが司会をしているトーク番組『ユ&キムの遊びにおいで』(昨年12月に終了)について「最近はこの『遊びにおいで』を見ている方があまりいません」と自虐的に言った。ある地上波テレビ局のバラエティー番組プロデューサーは「制作サイドとしては触れたくない低視聴率をネタにしてギャグに昇華させようというもの。自虐的な発言は番組に来てくださるゲストの緊張を解きほぐす効果もある」と語った。「番組を背負って立つ司会者は、こうした効果を狙い、自分に関する好ましくない経験などを取り上げてギャグをよく言う」というわけだ。

 カン・ホドンは脱税問題で1年間の活動自粛を経て最近復帰したが「まだ勘が戻ってきていない」と言われていることなどもネタにしている。シン・ドンヨプは12日放送の『強心臓』で自身の事業失敗などをほのめかし「(人生の)波乱万丈さでは、僕は上位5%の中に入る」と語った。

 イ・チャンテSBS制作局長は「最近の視聴者はタレントが自分の不十分な部分を素直にさらけ出すことを肯定的に見る傾向がある。例え弱点を隠してもすべて分かってしまう時代なので、弱点をオープンにすることでより注目を集めたいという期待もタレントにはあるのだろう」と話す。ポップカルチャー評論家のコン・ヒジョン氏は「低視聴率や暗い過去などをネタにしたギャグは徹底した計算のもとで行われているもの。『自分にはこれしかないので力を貸して欲しい』というメッセージを素直に発信する、ある意味ずうずうしいPR手法の一つといえるだろう」と分析している。

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