▲写真提供=CJ E&M

 2011年、人気オーディション番組『スーパースターK3』(Mnet)で優勝した「ウララセッション」のリーダー、イム・ユンテクさん(32)=写真=は11日夜8時42分、胃がんのため死去した。イム・ユンテクさんは11年1月に胃がんⅣ期と診断されて胃の切除手術を受けた後、抗がん剤治療を続けていた。

 イム・ユンテクさんが率いる無名の4人組ボーカルグループ、ウララセッションは同年8月から11月まで放映された『スーパースターK3』に出場するやいなや優勝候補として常に注目を浴び、ついに同番組のシリーズで3組目の優勝チームとなった。

 胃がんと診断され抗がん剤治療中だということは、同年9月に放映された中間予選ステージで初めて公表、多くの視聴者を驚かせた。8月下旬に合宿に入ったときも目に見えてやせていた。しかし、不屈の闘志で生放送のコンテストに出場、「決勝の結果に関係なく『スーパースターK』シリーズ真の勝者」と絶賛された。昨年3月にはソウル市内の高校を訪れ、自分が高校時代問題児だったことを告白、校内暴力の弊害や深刻さについて警告した。しかし、優勝後にイム・ユンテクさんを待っていたのは「インターネット上での無差別な人格攻撃」だった。一時的に病状が好転したかのようになると「本当にがんなのか」「まだ生きているのか」などの心ない書き込みが相次ぎ、そうした書き込みはほかのサイトにも際限なく広がっていった。

 イム・ユンテクさんは昨年5月にテレビ番組に出演し「(ネット上の悪質な書き込みで)『生きているのか』と聞かれれば『生きている』と答える性格だが、痛がったり太ったりすることに気が引けるのは無念」と心情を吐露した。ネットの心ない書き込みがピークに達したのは、婚約者が妊娠していることが分かった昨年6月だった。所属事務所は当時、主治医による医学的所見をプレスリリースで配布する事態となった。

 このプレスリリースで、延世大学附属セブランス病院のラ・ソニョン教授(腫瘍内科)は「イム・ユンテクさんが初めて病院に来たときは手術可能な時期が過ぎた胃がんⅣ期だった。腹腔内のがん細胞が育ち始めていたため、2011年12月から新薬による抗がん剤治療をしているところ。イムさんがほぼ同じステージのほかの患者に比べ抗がん剤治療に耐えられるのは、前向きな性格でチャレンジ精神旺盛だからだろう」と話していた。

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