世界で唯一の分断国家・韓国の男子は、憲法と兵役法が定めるところにより兵役に就く義務がある。

 韓国ではトップスターといえども、この兵役の義務は絶対に避けて通れない。軍隊に行けば短くて1年9カ月、長ければ2年間という少なからぬ時間を社会と隔離されたまま軍隊で生活しなければならないため、人気商売の芸能人にとってその間のブランクは非常に大きな負担になる可能性がある。

 だが、こうした大きな負担を乗り越え兵役をきちんと終えて社会に戻り、再びスターとして輝く人々もいる。

 昨年除隊して芸能界に復帰し、新たな活動をスタートさせたスターたちを振り返り、2013年の予定をまとめてみた。

■イ・ジュンギ(2月16日除隊)

 昨年2月に除隊したイ・ジュンギは除隊前から復帰作が決まっているという話が伝えられ、その活躍が期待されたが、復帰第1作の『アラン使道伝(サトデン)』はかなり後の8月中旬にスタートした。平均視聴率は13%と、同時間帯の『カクシタル』『優しい男』に圧倒され、一度も視聴率で勝てないまま静かに放映が終了した。その後は特に作品出演もなく、年内は12月29日のファンミーティング、来年は写真集とソロアルバムが予定されている。

■カンイン(3月16日除隊)

 アイドルグループSUPER JUNIOR のカンインは2009年に飲酒運転と飲酒暴行が発覚してファンを失望させ、活動自粛の意味で入隊を選択した。1年8カ月間を軍隊で過ごした後にSUPER JUNIOR に復帰したが、彼を愛するファンたちが当時受けた衝撃や失望感を消し去るにはまだ時間がかかりそうだ。

■イ・ドンゴン(3月28日除隊)

 3月に除隊したが、今年は特に目立った活動はなかった。入隊前から俳優としての存在感が小さくなり、除隊後もこれといったオファーが来ていないという。除隊から8カ月目の11月にCNBLUE、ユン・ジンソ、AOAなどが所属するFNCエンターテインメントと契約を結び、来年は復活を目指す。

■イ・ワン(4月23日除隊)

 「韓国最高の美女」キム・テヒの弟で俳優のイ・ワン。4月に除隊して姉キム・テヒが所属するルア・エンターテインメントと契約、次回作を検討しているところだ。デビュー当時は人気女優の弟として注目された。「キム・テヒの弟イ・ワン」から「イ・ワンの姉キム・テヒ」と呼ばれるようになりたいところだが、まだその道のりは長そうだ。

■キム・ジフン(7月12日除隊)

 キム・ジフンは除隊時のインタビューで「軍隊生活の1年8カ月間は全く無駄なことがなく、俳優をしてきた10年間を振り返ることができる貴重な時間だった」と語った。 7月に除隊後、複数の脚本を受け取り、慎重に作品選びをしていたが、韓流スター、パク・シネとの共演で来年1月7日にスタートするケーブルテレビチャンネルtvNの新月火ドラマ『隣の美男<イケメン>』にキャスティングされ、現在撮影の真っ最中だ。

 演じるのは愛想がなく頑固で、そのうえドジな駆け出しのネット漫画家オ・ジンラクだ。

■キム・ナムギル(7月14日召集解除)

 現役兵ではなく兵役に就く代わりに公益勤務をし、召集解除を報告する場も設けず芸能界に復帰したキム・ナムギル。召集解除後は映画プロデューサーとして初の作品となる音楽映画『アンサンブル』を手がけ、釜山国際映画祭や堤川国際音楽映画祭に出席した。

 12月には写真集「Way Back to the Road」を出版、16日には復帰後初のファンミーティングを開く予定だ。

 また、来年1月4日から10日までは名古屋・東京・大阪の3都市でドラマ『赤と黒』(2010年)のプロモーションが決まっており、来年3月ごろにはサスペンス映画『逆に走る男』の撮影など、本格的な芸能活動を再開する。

■カン・ドンウォン(11月12日召集解除)

 カン・ドンウォンは召集解除直後の11月中旬、動画サイトに「Gang Dong Won in a day」というタイトルで動画を掲載した。

 その動画にはカジュアル・スタイルの服を着てソウル市内を歩き回り、終始明るい笑顔を絶やさないカン・ドンウォンが。あちこち見て回り写真を撮影するなど、いたずらっ子のような表情が目を引く。

 映画『私たちの幸せな時間』『チョン・ウチ 時空道士』『義兄弟 SECRET REUNION』『超能力者』など、作品に出演するたびに驚異的なヒットを挙げているだけに、今後2年先までスケジュールが決まっているという。12月6日に発売された写真集で本格的な活動を再開した。

■ヒョンビン(12月6日除隊)

 ドラマ『シークレット・ガーデン』で韓国の全女性ファンを「ジュウォン病」にした人気俳優ヒョンビンが帰ってきた。

 兵役中も出演CMが放送されるなど、その人気はファンに会えなかった1年9カ月もの間、衰える気配すらなかった。

 除隊式の席では入隊時と同じようにファンたちに向かって深々と頭を下げてお礼を言った。「(入隊時は)『しっかりしたたくましい男になってお会いしましょう』とあいさつしたが、きちんと約束を守れることになった。本当に演技がしたかった」と率直に語り、涙を見せた。

 そして「今やっと再び演技ができるようになっただけでなく、軍でいいエネルギーをたくさんためてきたので、そのエネルギーを皆さんにお返ししたい」と今後の抱負を語った。

 トップスターから地獄の訓練で知られる海兵隊入隊を選択、きっちりと兵役を務めたということで「模範的な男性像」と評され、入隊前よりも株が上がったようだ。今後の活動にはファンはもちろんテレビ局・制作会社・広告スポンサー・芸能関係者・メディアなど大勢の人々が注目している。

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