16歳の少女イ・ハイが下半期の音楽界を賑わせている。4月、オーディション番組『K-POPスター』(SBS)で準優勝をしたあと、ヤン・ヒョンソク代表のYGエンターテインメント(以下、YG)に所属。6カ月のレッスンを経て、先月末デビュー曲「1.2.3.4」をリリースし、22日間各種オンライン音楽チャートの1位をキープしている。PSYの「江南スタイル」を除くと、今年最長期間の1位だ。22日にリリースされた新曲への関心も高い。

■なぜ、イ・ハイなのか
 イ・ハイの成功について、専門家たちは「韓国で稀有なイメージと歌声を持つアイドル歌手」という点を挙げた。「少女時代のように性的な魅力や緻密(ちみつ)に訓練されたパフォーマンスが売りのガールズグループと、IUのように清純なイメージでファン層を拡散させるソロ歌手に二分された少女アイドル市場に、個性のある歌声と挑戦的な才能あふれる『別種』が現れた」ということだ。

 イ・ハイのずば抜けている点の一つは、ハスキーボイス。「珍しい声だが、負担になるほどのくどさはなく、10-20代はもちろん、中高年の感性にも訴えかける」という評価だ。「容姿のイメージと歌声が絶妙にマッチしている。挑発的な衣装や振付け、そしてまなざしが歌を適切に引き立てている」と話す専門家もいる。ボーカルトレーナーのキム・ヨンフンさんは「希少価値のある歌声が、容姿のイメージと90%近い調和を成している。事務所がどういうキャラクターの歌手に育てるか、と悩む必要が全くないケース」と話した。

 YGからわずか6カ月でイ・ハイをソロデビューさせたことも「原石」の力を信じたからだという。YG関係者は「グループ型アイドルが飽きられてきているので、目新しいキャラクターと素晴らしい歌唱力を持つソロ型の人材と出会ったのは、我々としてはラッキーだった」と話した。

■誰がイ・ハイを作ったのか
 イ・ハイのデビュー曲を作ったのは、YG所属として仕事をし始めてから2、3年ほどになるChoice37(32)とLydia Paek(22)。YG側は「二人は最近まで、米国のアンダーグラウンドで活動していたため、ポップ界の最新の流れに詳しい」と話した。実際、「1.2.3.4」は故エイミー・ワインハウスさん、ダフィーなどのポップスシンガーにより2000年代後半以降、人気を得たレトロ風のジャンル「レトロソウル」を積極的に導入した。特に、同曲にはイ・ハイが『K-POPスター』で歌って話題となったダフィーのヒット曲「Mercy」の雰囲気が強く感じられる。

■まだ高校1年生だが…
 一部では、まだ高校1年生にすぎないイ・ハイが、ステージで性的な印象を与える振付けや表情を見せることについて、「見苦しい」という意見も出ている。彼女は現在、ソウル公演芸術高校に通い、学業と歌手業を並行している。しかし、YGのある幹部は「年齢に似合わず、成熟した感じを与えるのもイ・ハイの力」と話した。大衆音楽評論家キム・チャッカさんは「イ・ハイが成功する可能性は高い。ほかのプロの歌手たちに比べ、小手先で黒人の歌い方をマネしないという点が目を引く」と話した。

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