40種以上の冬の渡り鳥を間近で見られる慶尚南道昌原市の「第5回・注南貯水池渡り鳥祭り」が3日、盛況のうちに幕を閉じた。同祭りでは、韓国で天然記念物第203号に指定されているマナヅルや第205号のクロツラヘラサギ、環境部(省に相当)によって絶滅危惧種に指定されているトモエガモなども見ることができた。

 今月1日から3日間にわたり行われた同祭りは、昌原市義昌区の注南貯水池一帯で「渡り鳥と人間の楽しいハーモニー」というテーマで開催された。

 期間中、会場ではオープニングイベントをはじめ「調和の道(自然体験イベント)」「生命の道(バードウォッチング、教育、展示プログラム)」「和合の道(工芸・農耕文化体験)」などさまざまなイベントが行われた。

 昌原市は「渡り鳥と人間の楽しいハーモニー」というテーマに合わせるため、渡り鳥を刺激するような国楽(韓国の宮中音楽)公演や招待歌手による前夜祭など従来のイベントを廃止した。その代わり、渡り鳥ツアー、宝探し、渡り鳥クイズ、農耕体験などの体験型プログラムを大幅に増やし、来場者たちも好意的な反応を見せた。

 注南貯水池では渡り鳥祭りの期間以外でも渡り鳥を見ることができる。また、貯水池付近にある探鳥台の望遠鏡を使えば、より詳細に渡り鳥を観察することができる。このほかにも、ラムサール文化館では、湿地の保存に関する国際環境条約「ラムサール条約」の主な内容が展示され、生態学習館では注南貯水地の湿地の様子が分かるようになっている。

 昌原市環境首都課のオ・イルファン課長は「韓国には多くの渡り鳥飛来地があるが、注南貯水地はほかの飛来地に比べ渡り鳥が近くで見られる。貯水池の周辺には水田やアシ原もあるため、渡り鳥だけでなく自然の景観も楽しめる」と語った。

 注南貯水池は1980年代に入り、トモエガモなど多くの渡り鳥が飛来して冬を過ごすことが分かり、東洋最大規模の渡り鳥飛来地として有名になった。同貯水池には、ラムサール条約の基準を満たす、多くの渡り鳥が飛来しており、特にツル類の中継地、マナヅルの越冬地として注目されている。

 2008年のラムサール条約締結国会議を機に毎年開催されている注南貯水池渡り鳥祭りは、昌原市の主催、注南渡り鳥祭り推進委員会の主管で行われている。

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