スターインタビュー
インタビュー:映画初挑戦パク・シフ「逃げ出したかった」
俳優パク・シフ(34)出演の最新作『私が殺人犯だ』。題名だけ聞くと、「ドラマでしょ?」と思われがちだが、意外にも映画だ。ジャンルはアクションスリラー。彼は劇中、連続殺人犯イ・ドゥソク役を演じた。イ・ドゥソクは殺人事件の公訴時効が成立したあと、殺人をざんげする自叙伝でスターになる。8日の映画公開前に会った彼の顔には、ワクワク感と不安感が交差していた。
「観客の反応が気になり、心配になります。映画は初めてなので、大きなスクリーンに自分の顔がどう映るのか。それでも幸いなのは、スクリーンでの自分の姿が悪くはなかったということです」
2005年のドラマ『快傑春香』から、昨年の『王女の男』まで。ドラマで人気を博していた彼が、突然映画に目を向けた理由が気になった。それも、30代半ばの遅めの年齢で、連続殺人鬼という強烈な役どころ。パク・シフは「シナリオに惹かれた」と答えた。
「台本がしっかりしていました。それに、役どころは前からやりたいと思っていた映画『真実の行方』のエドワード・ノートンのようなサイコパスだったし、共演者が映画界のベテラン、チョン・ジェヨン先輩でした。『王女の男』の撮影を終えて、すぐに映画の撮影に入らなければならなかったので、正直状況は良くなかったけど、欲を出して役をもぎ取りました」
撮影は強行スケジュールだった。同作は、アクションスクール出身のチョン・ビョンギル監督の商業映画デビュー作で、激しいアクションが満載。救急車と3台の乗用車が道路を走るカーチェースシーンは10日間も撮影した。パク・シフは危険なシーンが多かったが、代役を使わず、自ら演じ切った。
そのため、ケガにも見舞われた。パク・シフは「割れた車のフロントガラスに頭をぶつけたとき、監督に“大丈夫ですか?”と心配されるどころか、“もう1回いきましょう”と言われた時はあっけにとられた。氷点下の日、冷たい水の中で10時間以上泳いだときは、正直逃げたいとも思いました。デビューして以来、こんなに大変な撮影は初めてでした」と舌を巻いた。
撮影はつらかったが、カメラに収められたシーンを見ると、頭に来ても怒りが静まった。実際にパク・シフが苦労して撮ったシーンは、『私が殺人犯だ』で見逃せない名シーンに挙げられている。
パク・シフが演じるイ・ドゥソクは、善と悪を行き来する。また、最後のドンデン返しの鍵も彼が握っている。パク・シフはイ・ドゥソクがそうだったように、いつもとは違う顔を何度か見せた。二重まぶたではない大きな目が、口元によって善良にも、ゾッとするようにも変わるということだ。
都会的なルックスとは違い、忠南・扶余の小さな田舎で生まれ育ったパク・シフ。数々のラブストーリーで主演を務めてきたが、実際は7年以上、恋愛とは無縁のシングルだ。少年のような童顔にマッチョな体は、キレイな肌の母親と自分のようにモデルと俳優の仕事をしていた父親から半分ずつ受け継いだものだった。
次回作はドラマ『清潭洞アリス』(SBS)。映画俳優として違う顔を見せた彼は、12月にムン・グニョンを新しいパートナーに迎え、再び愛を語る。