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ソン・ジュンギ、その演技力はどこまで伸びるのか
ドラマ『優しい男』と映画『オオカミ少年』により今年後半、韓国で最も「旬でホットな俳優」といわれているソン・ジュンギ。
1985年9月19日、大田広域市生まれ。小学校1年生でスケート競技のショートトラックを始め、同市代表として全国体育大会にも出場したが、足首を痛め中学2年のときに競技生活を断念した。ショートトラック韓国代表という目標を失い、新たな目標を探していた高校2年のとき、大学の演劇映画科進学を夢見るようになる。ところが両親の反対で演劇映画科への進学をあきらめ、必死に勉強した結果、成均館大学経営学科に見事合格を果たした。
ほかの大学生のように平凡な学生生活を送り、就職活動を始めるころにはアナウンサー試験、プロデューサー試験、マスコミ入社試験などを考えていた。だが、自分が本当にしたいことは何なのだろうかと悩んだ末、中高生のころ夢見た演技に対する漠然とした気持ちが高まり、大学3年のときに約8カ月間、演技学校に通った。そして2008年に映画『霜花店(サンファジョム)-運命、その愛』で役をもらい、出演を果たす。
このときから演技に対する意欲が一層強まり、本格的に俳優の道を歩むことになる。
09年には映画『オガムド-五感度-』『イテウォン殺人事件』、ドラマ『クリスマスに雪は降るの?』などに出演したが、小さな役だったため、その存在はあまり広くは知られなかった。だが同時にバラエティー番組『出発ドリームチーム』『ランニングマン』などにも出演、この方面で着実に自身の存在感をアピールしていった。
そうした中、演技の潜在力を認められ、10年の映画『ボクとマウミの物語』で初主演を果たす。また、韓流スターJYJユチョンの初ドラマ主演作としても話題になったドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』ではク・ヨンハを演じ、大勢のファンを獲得した。
『トキメキ☆成均館スキャンダル』は特に日本や中国などアジア各国で大ヒット、ソン・ジュンギを韓流スターの仲間入りさせた。そして同年のKBS演技大賞人気賞、ベストカップル賞を受賞する。
ところが、たった1作品で一躍注目を浴びたことから、その演技力は簡単には認められなかった。
見る人が見ればソン・ジュンギに卓越した演技力があるのは確実なのだが、清潔感あふれるイメージやバラエティー番組などで一層強まった若手人気スターという周囲の受け止め方のせいで、潜在力はともかく現時点での演技力はまだまだと考える人もいた。
こうした周囲の視線に、果たしてソン・ジュンギは気付いていたのだろうか。
11年のドラマ『根の深い木』では時代劇に挑戦、ハングルを創製した世宗大王の若いころを演じ、そうした演技力に対するあらゆる疑念を吹き飛ばした。
全24話のうち第1話から第4話までしか出演していないが、ソン・ジュンギが見せた演技と存在感はドラマ全体の印象を1段階上のクラスに引き上げるほど見事なものだった。
そして同年のSBS演技大賞ではプロデューサー賞を受賞。プロデューサー賞はドラマを演出するプロデューサーたちが撮影現場の俳優たちを直接評価する賞だけに、演技大賞そのものに匹敵する価値がある。数々のプロデューサーたちが認めたという意味を持つ同賞は、まさにソン・ジュンギの演技力と情熱を証明している。
その後の歩みはとどまるところを知らない。現在放映されているドラマ『優しい男』では水木ドラマ視聴率1位(17.1%、11月1日AGBニールセン・メディアリサーチ調べ)と「数字が稼げる主演俳優」になった。
さらに先月31日に公開された映画『オオカミ少年』では女優パク・ボヨンと共演、その見事な演技は多くの人々に「ソン・ジュンギでなければ成り立たなかった映画」と言わしめた。公開から19日で509万3692人(11月19日、映画振興委員会・映画館入場券統合ネットワーク調べ)を動員、興行成績ランキング1位と好スタートを切った。
俳優としてはまだまだ若手の27歳だが、真価を遺憾なく発揮、自身の地位を確実に固めつつあるソン・ジュンギ。今後のフィルモグラフィーをどのように積み重ね、どのような大俳優に成長するのか、その歩みから目が離せない。
そして、それを見守るのもファンにとっては非常に楽しみといえるだろう。