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韓国映画入場者きょう1億人突破
今年の韓国映画入場者数は20日に1億人を超えると予想されている。映画振興委員会は19日「今年の韓国映画入場者数は18日までで9960万7839人を記録した。平日に20万人以上が韓国映画を見ていることを考えると、20日にも1億人を突破するだろう」と発表した。
入場者数1億人は1919年の『義理的仇討』から数えて韓国映画93年の歴史に輝く新記録だ。これは、乳幼児まで含めた韓国全人口約5000万人が1人平均2本ずつ韓国映画を見たという計算になる。人口に対する自国映画鑑賞率がこのように200%近いというのは、英国(99%)、ドイツ(35%)、フランス(35%)、日本(49%)=以上、2011年現在=などほかの文化先進国を大きく引き離すものだ。
■韓国映画再興期の幕開け
映画振興委員会のキム・ウィソク委員長は「韓国映画入場者1億人は、韓国映画再興期の幕開けを告げる象徴的な数字だ」と述べた。
2000年代に入って急速に成長した韓国映画は06年に9791万人を動員、ピークを迎えたが、その翌年からは下落傾向に陥った。06年に63.8%まで上昇した韓国映画のシェアは50%未満まで落ち込み、収益率は08年にマイナス43.5%と最悪の数値を記録した。しかし、今年は入場者1億人を突破、シェアも59%(18日現在)まで回復している。韓国映画の関係者たちは「今年はこの5年間の韓国映画不況を一掃する年になるだろう」と話している。
■多様なジャンル、規模による相乗効果
なぜ1億人を動員できたのだろうか。明知大学映画ミュージカル学部のキム・ヨンジン教授は「大企業が企画・投資した『泥棒たち』『王になった男』の2本が入場者数1000万人を突破して大ヒットしたほか、制作会社と監督の企画力が光る映画がスマッシュヒット(300万-500万人動員)を出した結果」と話す。かつて「ヒット作の目安」と言われた入場者数100万人突破作品は27本もある。
「観客層の拡大」も重要な要因だ。映画振興委員会によると、今年の韓国人1人当たりの平均映画鑑賞回数は3.12回で、米国、フランス、オーストラリアに続く世界第4位だという。「幅広い観客層をターゲットにした多様なテーマやジャンルの映画が登場、観客のすそ野が広がった」(映画振興委員会キム・ボヨン映画政策センター長)。『建築学概論』などのラブストーリーや『折れた矢』のような社会問題を描いた映画は、これまで映画館にそっぽを向いていた30-40代を呼び戻したと評価されている。
■今後の興行持続については懸念も
映画産業労働組合のチェ・ジンウク委員長は「賃金が未払いになっているスタッフの基本時給や再教育の機会など、制度的な保障が整わなければ、韓国映画界は優秀な人材を長期確保できない」と語った。韓国映画プロデューサー組合のチョ・ジョンジュン代表は「1億人という数字は韓国映画の内需市場が飽和状態に達したことを示すとも受け取れる。海外市場や付加版権(IPテレビ、DVDなど)といった新たな収益源を開発していかなければならない」と語った。