▲新体操界のスター、孫延在(ソン・ヨンジェ)が出演し、番組レギュラー出演者たちに新体操を教えた先月22日放送『無限挑戦』のワンシーン。/写真提供=MBC

 MBCの人気バラエティー番組『無限挑戦』は20日に放送300回目を迎える。2005年4月に週末バラエティー番組『強力推薦 土曜日』の1コーナーとしてスタート、06年5月に一つの番組としてリニューアルされてから6年5カ月たった。300回目の放送はユ・ジェソク、パク・ミョンス、チョン・ジュナ、キル、チョン・ヒョンドン、ノ・ホンチョル、ハハらレギュラー出演陣がこれまでの足跡を振り返る記念特番になる予定だ。

 『無限挑戦』は韓国のバラエティー番組の歴史に新たな1ページを残した番組と評価されている。まさに「リアル・バラエティー」(ドキュメンタリー手法で撮影されたバラエティー番組)の元祖だからだ。出演者たちが異種格闘技やファッションモデル、特殊戦司令部の酷寒期訓練、ボブスレー、プロレスなど「無限の挑戦をする」状況をありのままに放送するユニークな手法は、それ自体がコメディーのライブのようでありながら、時に大きな感動につながり、視聴者の胸をジーンとさせた。『無限挑戦』の人気が出ると、他局も『1泊2日』『男の資格』(以上KBS)、『ランニングマン』『ジャングルの法則』(以上SBS)といった同様の番組やコーナーを放送し始めた。

 また、プロデューサーやディレクターをレギュラー出演者・ゲストに次ぐ「第3の出演者」として積極的に生かし、ドラマチックな面白さや効果を盛り上げるツールとして字幕を使ったことも 『無限挑戦』の成果だろう。さらにカレンダーや時計、傘、顔文字など関連商品が発売され、番組で使われた曲が音楽ランキングに入るなど、バラエティー番組を「OSMU(One Source Multi Use=一つつのコンテンツをマルチ展開すること)」として成功させられることを証明した。

 評論家たちは「日常生活とそれほどかけ離れていない設定で、自然な笑いを誘う戦略」(ピョン・ドンヒョン韓国放送批評会長)、「人情が薄くなった世の中に疲れた現代人が感情移入したり、現実世界の代わりに満足を得たりできる」(コ・ジョンミン弘益大学文化芸術経営学科教授)などと人気の原因を分析している。

 だが、『無限挑戦』には「影」の部分もある。「日本の番組をまねた」と疑惑の声が上がったり、不適切な発言の字幕や不快なやり取りが問題視され、2008-11年に放送通信審議委員会から10回の警告・注意といった制裁を受けている。最近ではレギュラー陣がテレビ局とは無関係に高額チケットのコンサートを行おうと計画し「金もうけだ」と批判され、キャンセルするという騒動が起きたが、それも「番組が権力を持つようになったから」と指摘されている。視聴率は今も平均16%前後(TNmS調べ)で、同時間帯1位の座を守っているが「以前に比べ目新しさがなくなった」との批判もある。

 専門家たちは「制作スタッフは番組に大きな変化をもたらすことを考えるべき時期」と話す。「長年の視聴者におなじみのパターンにこだわるあまり、変化の時期を逃して淘汰(とうた)される可能性がある」(コ・ジョンミン教授)、「幅広い年齢層から新しい視聴者層を獲得するのが難しくなっている」(ピョン・ドンヒョン会長)という声もある。

ホーム TOP