映画
「ヒット期待映画」と手を結ぶ企業・銀行
試合前に勝敗や得点を予想し、確率に応じて配当金が出る「スポーツTOTO」は発売と同時に大きな人気を呼んだ。青筋を立てて試合を応援しているスポーツファンの中には「スポーツTOTO」にハマっている人が相当数いる。
これによく似た形式の「賭け文化」は映画館にまで広がっている。銀行を中心に各企業が、興行の期待される映画会社と提携、観客動員数が一定以上になれば預金に追加金利を提供するなどの金融商品を販売するのだ。
■ハナ銀行、『光海』観客増で預金金利引き上げる期間限定商品を発売
ハナ銀行は13日に公開された映画『光海(クァンヘ)、王になった男』と提携した「ハナe-プラス共同購入積立金」をインターネットバンキング、スマートフォンバンキング、コールセンターなどを通じ21日まで期間限定で販売することを11日に発表した。
この金融商品は、募集口座と映画入場者数が多ければ多いほど金利が上がる1年・2年・3年型の自由積立式商品だ。満期3年型で募集が500口座未満であれば年4.3%、500口座以上であれば年4.4%、1000口座以上の場合は4.5%の基本金利を提供する。
また、『光海、王になった男』の入場者数に応じても金利が変わる。入場者数が100万人以上なら年0.1ポイント、200万人以上なら年0.2ポイントのボーナス金利を追加提供する。また、商品登録顧客のうち100人に抽選で同映画の前売り券を2枚ずつプレゼント。同銀行は映画『泥棒たち』と提携した商品も販売、大きな反響を呼んだ。
■ウリィ銀行は 『スパイ』と提携
ウリィ銀行も秋夕(中秋節、今年は9月30日)シーズンを前に公開される予定のキム・ミョンミン主演映画『スパイ』と提携している。ウリィ銀行は同映画を配給するロッテ・エンターテインメントと共同マーケティング協約を結び、シネマ定期預金「スパイ」を販売する。
この定期預金の口座を開設すると、『スパイ』の入場者数に応じて最大年0.2ポイントの金利優遇が受けられる。2000億ウォン(約140億円)を限度として来月5日まで販売する。定期預金の最低入金額は100万ウォン(約7万円)以上、加入期間は1年で、基本金利は年3.4%だ。
『スパイ』の入場者数が100万人を突破すれば0.1ポイント、200万人突破なら年0.2ポイントの優遇金利が追加される。年金利は最高3.6%まで可能だ。
■各企業、顧客マーケティング用に試写会チケットを大量購入
映画公開前に前売りチケットを購入し、試写会を開く企業も多い。入場者数1300万人突破を目前にしている映画『泥棒たち』では、映画公開前から現代カード、S-Oil、インターパーク、TOM N TOMS、ビーンポールなどが試写会チケット約2万枚を購入した。映画試写会のチケットは1枚8000ウォン(約560円)程度で、コストパフォーマンスの高いマーケティング効果が期待できるからだ。
現代カードは『泥棒たち』を23作品目の「現代カード・レッドカーペット作品」に選定、企業PRに活用した。これは現代カード会員だけを招待し、映画公開前に国内外の話題作を真っ先に披露する特別イベントだ。同社は先着順で申し込みを受け付け、合計975人に映画観覧券(1名につき2枚)とポップコーン、コーラなどを提供した。
金融業界関係者は「映画提携商品は特に20~30代の若い顧客層をターゲットにした営業に向いている。何かと難しそうな銀行の金融商品と娯楽を追求する映画を結び付ける新しい企画を出し続けていく方針だ」と話している。