エンタメニュース
チャン・ドンゴン&コ・ソヨン夫妻の生きる道
1972年はとりわけ多くのスターが誕生した。チャン・ドンゴン、ユ・ジェソク、ソテジ、チョン・ウソン、コ・ソヨン、ペ・ヨンジュン、J.Y.PARK(パク・ジニョン)…。このそうそうたるスターたちは皆72年生まれだ。同年3月に生まれたチャン・ドンゴン、その7カ月後の10月に生まれたコ・ソヨンは、満20歳を迎える92年にそろってデビューした。チャン・ドンゴンはMBC公募採用タレントとして、コ・ソヨンはKBSドラマ『明日は愛』出演がデビューだった。それから20年。チャン・ドンゴンは韓国にとどまらず日本・中国・米ハリウッドへも進出して大俳優になり、コ・ソヨンはデビュー以来、一度もトップ女優の座から降りたことのないスターになった。その2人が夫婦になった。2012年現在、夫婦の間には男の子が1人いる。今、このスター夫婦があらためて注目を浴びている。チャン・ドンゴンは12年ぶりにSBSドラマ『紳士の品格』に出演、大幅なイメージチェンジと高視聴率獲得に成功した。コ・ソヨンも、1人では14年ぶりにトーク番組『ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか~』(SBS)に出演、美ぼうも魅力も健在であることを証明した。
■2人が恋に落ちるまで
92年のほぼ同時期にデビューし、友達として過ごしてきた2人は99年の映画『恋風恋歌』で共演した。コ・ソヨンは当時の印象を「ほぼ同じ時期にデビューした同い年の友達」と記憶している。互いを「チャン・ドンスク(スクは女性の名前に多い文字)」「コ・ソパル(パルは男性の名前に多い文字)」とあだ名で呼び合うほど親しい間柄だった。
コ・ソヨンは『ヒーリングキャンプ』に出演したとき、『恋風恋歌』のヒロイン役に自分を推薦してくれたのがチャン・ドンゴンだったことを打ち明け「やはり先に好きになったんでしょうね」と言って笑った。実際、チャン・ドンゴンは2008年の『パク・ジュンフン・ショー』(KBS)で「手首と足首がきれいで姿勢が美しい女性」が理想のタイプだと告白。「肌はやや黒めで奥二重、鼻は小さめで顔はスッとしていて適度に唇が厚い人」とかなり具体的に語っている。
09年に熱愛説が報じられたとき、2人はそれぞれのコメントを自らインターネットに掲載した。チャン・ドンゴンはファンクラブ「アドニス」の公式ホームページに「ご存じのとおりコ・ソヨンさんとは長い間、友人の間柄です。いつの間にかとても親しい友人になりました。お互いつらいことがあるたび、心配し合ったり励まし合ったりしてきましたが、そうしているうちにコ・ソヨンさんのことが好きになりました」と書き込んだ。コ・ソヨンは自身のファンサイトに「愛する皆さん、ご理解ください。たくさん祝福してください。頼りがいのあるドンゴンさんがいるからすごく幸せでうれしいですが、少し慎重になっています」と書いている。
2人の言葉通り、時々連絡を取り合うくらいの友人関係だったが、08年ごろ米国で偶然会ってからは特別な関係になった。8年ぶりの再会だった。コ・ソヨンは「久しぶりに会ったら見違えるほど大人になっていて心ときめいた」と話す。作品に恵まれず悩んでいたコ・ソヨンを「君だけじゃなくてみんなも悩んでいるんだから大丈夫だよ。非難の矢は的に当たったときだけ有効なんだ」と慰めた。そのチャン・ドンゴンも、8年ぶりに会っても以前と変わらず美しいコ・ソヨンを見てそわそわした。女は相手が見違えるほど変わったから、男は相手が全く変わっていなかったから恋に落ちたのだ。コ・ソヨンは「運命だったのでしょう」と話す。『恋風恋歌』のパク・テヨン監督はこの映画を「『愛している』という言葉が出てこない愛の映画」と説明する。愛という感情は「愛している」という言葉ではなく、交わされる視線や理解し合う心、優しい一言のようにささいだが繊細な感情の中にあるからだ。
ドライでクールな恋愛を追求する女コ・ソヨンと、思いやり深く慎重な男チャン・ドンゴンのスタンスは結婚と同時に逆転した。付き合うようになってからは親友との飲み会を減らし、映画『友へ チング』(2000年)撮影時は1日3箱吸っていたタバコも減らしたというチャン・ドンゴン。結婚後は交際していたころよりももっと顔を見るのが難しい夫になった。『The Warrior's Way』(10年)、『マイウェイ12,000キロの真実』(11年)、『危険な関係』(12年)など海外ロケが多い大作に立て続けに出演したからだ。夫婦になってからも飛行機に乗るときは「別々に座ってそれぞれ気楽に帰ろうか」と提案するというクールな妻コ・ソヨンは、出産後たった1日だけ夫と一緒に過ごし、それ以降は子どもと2人きりで時間を過ごす専業主婦になった。コ・ソヨンの鼻筋とチャン・ドンゴンの肩、そして2人の感性をそのまま受け継いだ息子ジュンヒョク君は、母乳やママが作った離乳食ですくすく育っている。料理教室に通い、夫のために料理を作っていたコ・ソヨンは、息子の離乳食のために毎日4、5回買い物に出るそうだ。
■「光るものはいつも孤独だ」
1972年に生まれた2人は92年にデビュー、2012年の今は共に40歳になり夫婦として暮らしている。もちろん、子どものころは近所で評判の美男・美女だった。チャン・ドンゴンは「女の子? 男の子?」といつも聞かれてコンプレックスになるほどだったし、同じころコ・ソヨンは「かわいい赤ちゃんコンテスト」で優勝した。92年のMBCドラマ『最後の勝負』のチャン・ドンゴンとKBSドラマ『明日は愛』のコ・ソヨンは各チャンネルを代表する大型新人だった。その後、トップの席から一度も下りることのなかった2人のスターは2010年に結婚。そして12年、夫は大作にばかり出演するというイメージがあまりにも重く肩にのし掛かかり「ソフトでユーモラスな役」を求めて12年ぶりのドラマ『紳士の品格』でお茶の間に帰ってきた。妻はトップ女優として生きるため1人苦しんだ心の傷や根も葉もないデマを消そうと、14年ぶりにトーク番組に出演した。
「光るものはいつも孤独だ」と詩人は言った。光を放ち続ける孤独、1人でいなければならない寂しさをそっと理解してくれる存在は、ひょっとしたらこの2人にとってはお互いしかいなかったのかもしれない。