スターインタビュー
インタビュー:イ・スンギ「恋愛で卑怯な男になりたくない」
人生のターニングポイント。ある人は何回も遭遇し、ある人は1度も経験できなかったりもする。イ・スンギは最近、ドラマ『The King 2 Hearts』を通して、俳優人生初のターニングポイントを迎えた。
同ドラマが終わって2週間が過ぎた4月7日、イ・スンギに会った。テレビでの姿と同じように、彼はにこやかに笑っていた。笑うときは、片方にだけえくぼができた。インタビュー中、このえくぼが消えることはなかった。彼の笑顔は、相手をいい気分にさせてくれる。礼儀も正しかった。イ・スンギが女性、特にお母さんファンに愛される理由が分かった気がした。
「俳優人生で初のターニングポイント」
『The King 2 Hearts』は、イ・スンギが『強心臓』を卒業してから、ほとんど間を空けずに出演した作品。彼が演じたイ・ジェハは、傍若無人な王子から、上品で重厚な王へと変化していく立体的な人物。キャラクターだけ見ると、前作で演じた役と大きくは変わらない。
しかし、同ドラマはイ・スンギにとって、単なる「出演作」ではなく、それ以上の意味を持つ。ドラマはイ・ジェハの成長だけでなく、イ・スンギの成長をももたらした。「本業は歌手だが演技もするイ・スンギ」ではなく、「俳優イ・スンギ」を確認できた作品だ。
「『The King 2 Hearts』は僕にとって、本当に重要な作品でした。視聴率は全く重要ではなかったです。(視聴率が)5%しかなかったとしても、僕にとっては最高だったし、必ずやらなければならない作品でした。イ・ジェギュ監督にイ・スンジェ大先輩、ユン・ヨジョン大先輩、ユン・ジェムン先輩、ハ・ジウォン先輩、このようなファンタスティックな組み合わせの作品に、この機会を逃したらどこで出会えますか」
撮影は緊張の連続でもあった。イ・スンギは「初めての台本読み合わせのときは、デビューしたときよりも緊張した。プレッシャーに押しつぶされて、泣きそうだったた。初めての台本読み合わせを完全に台無しにしてしまった」と話し、序盤は精神的なプレッシャーがすごかったと打ち明けた。
しかし、撮影現場はプレッシャーと同時に、良い勉強となる環境を提供してくれた。自分が助けを求めれば、いつでも応じてくれる素晴らしい監督や先輩がいた。彼らによって演出されたシーンは、リアルな現実として目の前に広がっていた。おかげでイ・スンギは自分の演技に偽りではなく、真心が込められることを初めて感ることができた。
「僕が心配していたので、イ・ジェギュ監督が、楽に、本当にするようにしなさいとアドバイスをしてくれました。初めはどうすべきか困ったけど、不思議なのが、“本物”の人たちと一緒に作業をすると、自然に彼らに付いていくようになります。それまでは、どうすれば画面でカッコよく見えるか、ということに気を遣っていたけど、今回は撮影するたびに、自分を捨てました」
「恋愛で卑怯な男にはなりたくない」
イ・スンギも来年でデビュー10年目。デビュー当時はフレッシュな高校生だったが、いつの間にか20代半ばの男になった。バラエティー番組『ハッピーサンデー』(KBS第2)の「1泊2日」に出演していたときも、最年少だったため“年下の男”のイメージが強かったが、今は9歳年上のハ・ジウォンのそばにいても、幼い男という感じではなく、“オスの匂い”が漂う男に成長した。
6月5日はイ・スンギがデビューして丸8年になる日だった。彼は8年間、音楽から演技、またバラエティーへと活動の幅を広げ、勢いに乗ってきた。普通は二兎を得るのも難しいのに、このラッキーな男は三兎を得るのも問題はない。イ・スンギはデビュー当時から、ほとんど休むことなく活動してきた。相変わらずあらゆる方面から引っ張りだこで、体が二つあっても足りないほど。プライベートな時間についての不満も、なくはないはずだ。イ・スンギは恋愛願望もほのめかした。
「一生、人気にばかりとらわれて、人目を気にしながら暮らしたくはないです。恋愛もしたいです」と話す。芸能人になったら、私生活はある程度あきらめなければならない。人気が高ければ高いほどそうだ。イ・スンギほどの人気なら、大学生の妹と二人でご飯を食べただけても、不必要な誤解を受ける。
とはいっても、イ・スンギは仕事より恋愛が優先だった。結婚する相手がいれば、適齢期でなくても、周りから止められたとしても、結婚を選択するだろうと話した。もちろん、イ・スンギも芸能人なので、交際や結婚の事実を公表し、それによって人気が落ちることへの怖さはある。しかし、人気を盾に、恋愛面でひきょうな男にはなりたくないという。
「恋愛をしていて、仕方なく明るみに出たときには、男らしく認めたいです。日本の俳優、木村拓哉が好きな理由がそこです。年上の女性と突然結婚を発表したとき、皆彼は終わったと思ったけど、彼は今も健在じゃないですか。それがカッコいいし、僕もそんな男になりたいです」