▲写真提供=LOENエンターテインメント

 「私が想像していた歌手のイメージはコンサート会場で歌うというものでした。レッスン生生活を経験したので…」。「国民の妹」と呼ばれている人気女性シンガーのIU(19)は昨年末、記者に「ライブ」の物足りなさをこう告白していた。

 2日午後6時、ソウル・慶煕大学「平和の殿堂」で幕を上げたIUの初ソロコンサート「リアル・ファンタジー」は、デビュー4年目にしてそうした物足りなさを一掃、「ミュージシャン」として認られるため第一歩を踏み出したステージだった。

 4500の観客席を埋め尽くした観衆が歓声を上げる中、登場したIUはファンタジックなバラード「残酷童話」でコンサートをスタート、次はムードを変えてポップス・オーケストラ約20人と共に「君と私」、軽快なポップダンス「Everything’s Alright」、ディズニーのアニメをモチーフにキュートなステージ効果を加えた「眠れる森の王子」など、明るいナンバーで盛り上げた。さらに初のランキング1位曲「小言」、コアなファン向けの「叔父」、最大のヒット曲「Good Day」と立て続けに3時間、全24曲を歌った。額から汗がこぼれ、髪は乱れてしまい、本人も「うーっ、疲れた」という言葉を連発していたが、はかなげなのに強さも感じられるその声は変わらなかった。

 レゲエ風の「Rain Drop」、モダンロック・スタイルの「ねぇ」、ヘッドセットを付けてダンスシンガーのように歌った「一日の終わり」、マイケル・ジャクソンとRAIN(ピ)のダンスを取り入れたダンスタイムなど変化を付けたステージだったが、中でも一番目を見張ったのは「フォークシンガーのIU」としての姿だった。IUは三日月形の舞台装置に上がり、自らギターをつま弾きながら「ある60代老夫婦の物語」(キム・グァンソク)や「白いタンポポ」(チン・ミリョン)を歌ったほか、「両親が好きな歌です」とアコースティック・バンドの伴奏で「ロマンについて」(チェ・ベクホ)、「たそがれのそば」(Wax)など先輩歌手たちの歌をいとおしげに披露した。

 休みなく駆け抜け、客席をあおるような最近のコンサートのスタイルとは違い、ゲストによるステージや単調なトークがこまごまと続いたのが少々残念だったが、今回の公演は「国民の妹」が「ミュージシャン」として成長する可能性を示すには十分だった。IU自身もコンサートの最後に「やっとステージが少し分かったような気がします」と感激した様子で語っていた。

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