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仁川の撮影スポット巡り、あなたも映画の主人公に
ソウルからほど近い海洋都市・仁川には美しい島と海が広がる一方で、世界に開けた空港や港、空高くそびえる高層ビル群など、韓国の今と懐かしい風景が共存している。
このように仁川には過去と現在、そして未来の姿が交錯していることから、ドラマ・映画・CMなどのロケ地としてよく使われる。仁川の隠れた撮影スポットを訪ねてみた。
■人気撮影スポット、仁川のシンボル「自由公園」一帯
仁川市中区のシンボルともいえる自由公園では、チェ・ミンシク&セシリア・チャン出演の映画『ラブ・レター ~パイランより~』をはじめ『ヨコヅナ マドンナ』、ドラマ『ピアノ』『乾パン先生とこんぺいとう』『シティーホール』『誘惑の技術』など多くの作品が撮影された。
ここは韓国初の西洋式公園で、1888年に米国・英国・ロシア・中国・日本などの外交官が共同署名して建設された。初期には「各国公園」「万国公園」とも呼ばれたが、1950年9月の仁川上陸作戦時にマッカーサー将軍が最初に上陸を断行したことを記念し、マッカーサー像が建てられて以来、自由公園と呼ばれるようになった。
公園を見渡すと、これまでにどのような作品がこの地で撮影されたかが一目で分かる。カメラをかたどった案内板が設置され、ドラマや映画の名シーンやストーリーが書かれているからだ。これらの案内板を見ながら、自分がまるでその映画の主人公になったような気分を味わうことができ、写真撮影も楽しめる。
■天の恵み・自然景観を誇る仁川の島々
仁川は海洋都市として自然景観が素晴らしい島々が多い。人の手が加えられていない自然が大切に保存されているため、観光地としてはもちろん、ドラマや映画のロケ地としても脚光を浴びている。軍部独裁時代のテロ部隊「684部隊」が実在した悲運の島で、映画『シルミド/SILMIDO』の舞台になった実尾島(シルミド)、『イルマーレ』『酔画仙』の舞台になった席毛島、ドラマ『島の村の先生』が撮影された伊作島、ドラマ『フルハウス』の撮影地となった信島・茅島・矢島などは全て仁川市にある。
特に矢島では韓半島(朝鮮半島)をかたどった生態公園のほか、塩田などを見ることができる。矢島の北側の海岸にはドラマ『悲しき恋歌』のオープンセットがある。白い別荘のように見える建物は、現在立ち入り禁止になっている。また、その下にはドラマ『フルハウス』のオープンセットもある。ここは島で唯一の海水浴場「水気海水浴場」で、赤い郵便ポストが印象的。ここは内部見学OKで、東南アジアからの観光客がよく訪れる観光スポットとして人気だ。
茅島の「ペミクミ」は、キム・ギドク監督の映画『絶対の愛』のロケ地としてよく知られている。船底の穴のような形から「ペミクミ」と呼ばれるこの場所は彫刻公園としても有名で、約100点の作品が鑑賞できる。彫刻家イ・イルホの愛と性をテーマにした官能的な彫刻は、観光客の視線を集めている。
仁川市の関係者は「仁川は開港期や近代化の歴史があるだけでなく、自然景観が保たれている場所が多い。ドラマや映画のロケ地になったスポットを一般の方々も利用しやすい観光スポットとして開発し、さまざまな体験観光・テーマ観光コースとして活用したい」と話している。