ドラマでなかなか見られない女優がいる。チョン・ジヒョン、ソン・ヘギョ、チョン・ドヨンらがその代表だ。彼女たちはデビュー後、ドラマを通じて本格的に顔を知られ始めた。しかし、最近数年間は、映画にだけ集中している。

 今年6月、同い年の婚約者と結婚を控えているチョン・ジヒョンは、『Happy Together』(1999年)を最後にドラマに出演していない。ソン・ヘギョは『彼らが生きる世界』(2008年)、チョン・ドヨンは『プラハの恋人』(2005年)以降、ドラマに出演していない。

 このようにトップ女優が映画を中心に活動を繰り広げる理由は何か。それは映画とドラマの制作環境の違いから、その答えが見つかる。

 ある映画関係者は「映画の場合、完成されたシナリオを持って撮影を行うため、キャラクターを分析し、役に入り込める時間が比較的十分にある。一方、断片台本で撮影しなければならないドラマは、そのようなことができない。より完成度の高い演技ができるという点で、映画のほうが魅力的」と説明する。

 続けて、「相対的に楽だという点も無視できない。韓国の制作環境上、ドラマは始めから終わりまで、走らなければならない。徹夜撮影を当たり前のようにしなければならないし、目覚めたら、また撮らなければならないのが現実」と話す。

 実際にドラマ『太陽を抱いた月』(MBC)に出演中のハン・ガインは最近、「3-4日ほど、家に帰れていない。肌が本当に悪くなった。今は洗顔だけでもしたい。1日に2-3時間だけでも寝たい」とドラマ撮影の苦労を打ち明けた。

 また、ほかの関係者は個人的な趣向や達成欲を理由に挙げた。
 「ドラマに比べ、やはり映画のほうが表現の幅が広いので、さまざまな作品に接することができる。そのような欲のため、映画を続けることもある。また、最近では少ないが、以前はドラマに出演するタレントより、映画女優のほうが優れているという認識があった。そうするうちに、映画に慣れて、不慣れなことへの恐さから、一つの道をずっと行くことになったりもする」と説明した。

 このほかに、ハリウッドに進出しやすいという点も一つの理由。チョン・ジヒョンは2009年に『ラスト・ブラッド』で、ソン・ヘギョは2008年に『Fetish』で、ハリウッド進出を図った。

 テレビ局関係者は「日本、中国などアジア圏の韓流スターとして認められるためには、頻繁にドラマに出演するほうが有利。しかし、ハリウッドで有名になるためには、映画出演以外にこれといった手がない」と話した。

 映画を中心に活動する女優の場合、バラエティー番組出演など「その他の活動」もほとんど行わないのが一般的だ。映画出演も、特に多くの作品に出演するタイプでないなら、1-2年に1作品程度。そうなると、「生計」に支障は出ないのか?

 結論からいえば、全くそのような心配はない。トップスターの場合、映画出演で数億ウォンの出演料を受け取る。さらに、CMで稼ぐ収入も合わせれば、職業の特性上、出費がかさむ品格維持の費用などを考慮しても、十分な水準だ。

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