野崎友子通信員
インタビュー:コン・ヒョジン「『最高の愛』では二人の男性の間ですごく悩んだ」
ドラマ『最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~』で元アイドル「国宝少女」で好感度ワースト1のク・エジョン役を演じ、トップ俳優トッコ・ジン(チャ・スンウォン)との恋愛模様を繰り広げたコン・ヒョジンにインタビューした。
―ク・エジョンを演じるにあたって苦労した点は。
「複雑な人物でしたね。愛の話が半分、仕事の話が半分だったんですが、愛の部分で、おかしなトッコ・ジンという人物が、初めはエジョンをいじめ、存在自体も否定しようとするんですが、その後よく訪ねてきて、じっと見つめたり、ちょっかい出すのを好意があってしていると誰もがわかるのに、気付かない。それを不自然にならないように表現をするのが難しかったです。また、二人の男性の間で…とにかくいろんな面で複雑でした。どうにかして、どの場面でも非難を受けないようにと努力はしましたね…」
―元アイドル役で芸能界の物語ということで、やりやすかった点、やりにくかった点は。
「やりやすかった点は、わたし自身とエジョンは歳が近くて、活動期間も10年程度で同じくらいで…。それで昔のことを考えながら、デビュー初期にいろんな活動をしてたことを思い出しながら、今はバラエティーには出演はしませんが、その頃は出て楽しい話をしたなと思い出して…楽に理解できた部分だったと思います。難しかった点は、わたしが歌手ではないこと(笑)。一人で活動をしてきたのでグループ活動をした歌手たちの固い友情などはわからなくて、そういう部分では分野に違いがあり理解をするのが難しかったです」
―劇中でアイドルグループ「国宝少女」としてダンスや歌を披露しましたが、率直な感想は。
「二度としてはいけないと思いました(笑)。わたしの長所ではなく、大変だということもわかりました。ステージの上でリハーサルをして、歌を歌って、本当に暑いのにサウンドのためにエアコンも付けられず、ステージで歌手たちがメークをして歌ってダンスをするのは大変なことなんだ、みんなと合わせてダンスをして歌を歌うのは大変なんだとつくづくわかりました」
―トッコ・ジンとユン・ピルジュの間での関係には悩む点がありましたか。
「最初から二人の男性の間でどうしたら悪い女性にならないかとすごく悩みました。なぜなら、ユン・ピルジュが本当にいい人で、トッコ・ジンはエジョンには悪い人だったから、何でわたし(エジョン)がこの男(トッコ・ジン)を好きなのかと…。韓国ドラマで、女性を中心に男性が二人いる場合、一人に偏ると二人目の男性が無用な人になるんです。そうならないようにしながら、作家、監督、ユン・ゲサンさんともたくさん話をしました。ここまで引っぱってきたのにどうやって切るのかと。ユン・ゲサンさんも急にあきらめるのは話にならないと…ご覧になる方に憎まれるのではないかと思い、本当に複雑でした。でも後で最終回を見たら、二人本当に幸せに見えました。家で、子どもがいて、彼がソファで寝てるのを見る様子は本当に。なので納得しました(笑)」
―ご自身だったら、ユン・ピルジュのほうに行きますか?
「女性だったら、わかるじゃないですか? 頭ではあんな男性がいいのに、でも心ではトッコ・ジンみたいな男性に気持ちがいってしまう。でも結婚して後悔するでしょう。あの時ピルジュと結婚していたらと。わたしなら30代の女性として、ピルジュを選ばなければと思いますね。トッコ・ジンは本当に性格が、自分が強すぎますよ(笑)」
―撮影時の印象深い思い出は。
「国宝少女の歌やダンスの練習? 監督が、歌えば人気が出るはずだから、音源も出してヒット曲を、と。その頃ちょうどヒョンビンさんが歌ってすごく話題になっていて、わたしたちも歌わないといけないと(笑)。でも曲を聴いたらキーがめちゃめちゃ高いんですよ。国宝少女のメンバーの中で二人は歌手なんですが、彼女たちもこの曲はあまりにもキーが高いと…あの曲をわたしたちが歌ったらもっと面白かったかもしれませんが無理でした。ダンスの練習も大変だったし、ミュージックビデオの映像を見たら、わたしだけが全部違うんです(笑)」
―ご自身が思う名場面は。
「トッコ・ジンの家に行って、手術の日までわたしたちは閉じこもって、最後にキスをして行くよ、というシーンです。二人とも本当に最悪な状況に置かれた時のあのキスシーンは10時間かけてやっと撮ったんです。すごく大変だったんですが、そのキスシーンを思い出します」
―コン・ヒョジンさんが着た衣装、スタイルも毎回話題になりました。一番気に入っているスタイルは?
「人が着ないもの、と逆に考えました。最近はやりの体にピタッとフィットした服に高いヒールというのではなく、低い靴でもっと楽に見えるスタイルにしたらどうかと思いました。また、夏には露出の多い服が主流ですが、露出はなくても素敵に見える服はないかと。長いスキニージーンズではなくて膝までのジーンズをはいたり、みんな短いスカートをはくのでロングスカートをはいたり、流行とは逆の影響を少し与えられればいいと思いました。ハイウエストのドレッシーなフレアースカートに綿のTシャツ、帽子というスタイルがありましたが、そんなミスマッチ的ミックスがおもしろくていいですね」
―女性ファンたちはコン・ヒョジンさんに憧れていますが、ご自身が憧れる女性はいますか。
「シャルロット・ゲンズブール、クロエ・セヴィニーなど、個性的な人が好きです。シャルロット・ゲンズブールはいつもTシャツにジーンズ、ヘアも無造作、メークもしてないような…でもいつも彼女だけの特有の姿があってとても魅力的です。どの授賞式でも派手なドレスを着たりしないのもカッコいいし、クロエ・セヴィニーも彼女だけの特有の匂いがするような感じで。どんな役でも怖がらず勇敢に、映画『アンチクライスト』など、どうやってああいう役をしたのかと…素敵です。商業的なもの、そうでないものの両方をできるのが魅力ですね。作品は非メジャー作品に出演して、ファッションや自分のアイデンティティがしっかり出るものではアイコンになる、そんな姿が理想像のようです」
―ライフスタイルで、毎日欠かさずしていることはありますか。
「音楽を聞きながら思索を楽しみます。朝起きた時でも、夜寝る時でも、私の好きな音楽を聞きながらそのままぼーっと今日は何をしよう、明日は何をしよう、と考えごとをします。一人で静かにリラックスする時間が必要ですね」
DVD『最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~』(発売・販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント)はセルDVD-SET1、レンタルVol.1~4は4月6日、セルDVD-SET2、レンタルVol.5~8は5月9日リリース。WOWOWプライムにて毎週水曜よる8:30~放送中だ。