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焼きいもが美味しい季節、サツマイモの産地・江華島へ
秋が深まり、夜になると気温がぐっと下がるきょうこのごろ。熱々の焼きいもが美味しい季節だ。
中でも潮風を受けて育ったサツマイモは特においしいといわれる。そんなサツマイモが収穫できる地域は多くないが、江華島の「ソクノラン(中身の黄色いの意)サツマイモ」は人気が高い。
冬を目前に控え、最高に美味しいサツマイモを食べるため、江華島を訪れた。
江華島の「ソクノランサツマイモ」は、毎年買いに来る常連客がいるほど人気がある。江華島の新鮮な潮風と良質な黄土の畑は、サツマイモが育つのに最高の環境だという。このため、繊維質や甘みが豊かなだけでなく、粘質や粉質が高く、韓国最高の品質といわれる。
「干潟のミネラル成分が海の霧に混ざり、サツマイモの葉に吸収されるため、味や効能が優れている。ソクノランサツマイモは一度食べたら必ずリピートし、常連客になってしまう」と江華島自然体験農場のオ・ハンソプ代表は語る。
江華道自然体験農場でサツマイモを収穫したら、一口大のものから大人の握り拳大のものまでさまざまなイモがあった。大きいものは天ぷらなどおかず用に使われ、小さいものはふかして食べるとよい。また、生のままでも美味しく、果物のように皮をむいて薄切りにして食べたり、サラダの中に入れる人も多いという。
味はもちろん、ソクノランサツマイモは最近、女性にとってダイエット食品としても注目を浴びている。江華農業技術センターによると、ソクノランサツマイモ一つ(100グラム)当たり128キロカロリーで、脂肪は0.2%、炭水化物36%、たんぱく質1.4%だという。そのほか水分や植物繊維、ビタミンなどで構成されており、少ない量でも満腹感を得られるため、ダイエットにぴったりの食べ物というわけだ。
ダイエットをすると食べる量が減るだけでなく、腸の動きが顕著に減って体の機能が全体的に低下するため、排便能力も低下する。しかし、サツマイモには便秘を緩和させる成分が含まれている。サツマイモを切ると、白い液体が少しずつにじみ出てくるが、これはサツマイモが自ら傷を保護するために分泌している「ヤラピン」という成分。
ヤラピンは腸内をきれいにする機能があるだけでなく、大腸がんを予防し、排便活動を促す。また、サツマイモにはでん粉を分解する酵素や腸の機能を活性化するビタミンB1も豊富に含まれている。このような成分は、サツマイモの植物繊維とシナジー効果を発揮し、排便をより円滑にする。
江南慶熙漢方病院のイ・ギョンソプ院長は「サツマイモは胃腸を丈夫にし、血液循環を円滑にする効能があり、漢方医学でも下痢や慢性の消化不良の治療に用いられる」と説明した。
特別な計画や目的地を決めなくても、気軽に訪れることができる江華島で、家族や友達と一緒にサツマイモを焼きながら楽しい思い出を作ってみてはいかがだろうか。
■江華ソクノランサツマイモ
海洋性気候の江華道地域で生産される江華ソクノランサツマイモの本来の名前は「センミ(1980年代、良質のサツマイモを交配してできた新しいサツマイモの品種)系統」。中身が黄色いため、ソクノラン(中身の黄色い)サツマイモ、カボチャサツマイモ、ニンジンサツマイモ、ハチミツサツマイモなどと呼ばれている。「ソクノランサツマイモ」という名前は、元々江華島の住民だけの呼び名だったが、そのうち消費者にも同じように呼ばれ始め、1998年5月に正式にブランド化された。