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K-POPの過激な歌詞、日本語版ではどう変わる?
日本に留学している大学生のユさん(26)は最近、日本デビューを果たしたガールズグループ「2NE1」の「I AM THE BEST」を聞いて非常に驚いた。日本語の歌詞に「俺様つかれる もうみんなやめて」「俺天上天下唯我独尊」など日本人にとって耳慣れない、やや過激な表現が出てきたからだ。
日本では通常、女性が「自分」を表す場合「わたし」という一人称を使うが、この歌では男性が使う一人称、それも比較的荒っぽいとされる「俺」という言葉が使われている。ユさんは「日本人の知り合いの中には『俺』という歌詞を聞いて『いくらなんでも女性がそんな言葉を使うとは』と驚く人もいた」と話した。
K-POP人気の拡大とともに韓国のアイドルグループの日本進出が活発化する中、韓国でヒットした歌を日本語版にアレンジし、アルバムをリリースするケースが増えている。ただし、中には韓日の文化の違いや言葉のニュアンスの違いのせいで、妙な語句に翻訳されるケースも多い。
男性人気アイドルグループ「SHINee」は、日本デビューに向けて韓国でのヒット曲「お姉さんは本当に可愛い」の日本語バージョンを制作する際「ヌナ(お姉さんの意)」という韓国語を「Special Lady」に置き換えた。「ヌナ」の日本語に当たる「お姉さん」は、日本では「特定の職業」の女性を指す際に用いられることがあるため、誤解を招きかねないとの指摘を受けたからだ。ある芸能プロダクションの関係者は「韓国の歌の歌詞は「狂ってる」「死にたい」「どうしろっていうの」などといった極端な表現が多く、日本語にそのまま翻訳すると、日本のファンたちがショックを受ける可能性がある」として「それを避けるため、一部の言葉は日本語ではなく英語に置き換えるケースもある」と語った。一部の過激な韓国語が翻訳の過程で浄化され、日本語の歌詞が原曲より「美しくなる」ケースもある。ガールズグループ「T-ARA」の「Bo Peep Bo Peep」がそのいい例だ。
K-POPの日本語版を制作する際には、日本の芸能プロダクションを通じて歌詞の翻訳を依頼している。韓国の芸能プロが、エイベックスやユニバーサルミュージックなど、契約している日本の芸能プロに依頼し、日本の作詞家が翻訳家のアドバイスを受けながら歌詞を書くという仕組みだ。
最近は韓国の歌の歌詞にやたらと擬音語や擬態語が多用されているため、韓国語がそのまま日本語の歌詞の中で使われるケースも多い。KARAの「ミスター」や少女時代の「Gee」の日本語バージョンには「コンダコンダ」「フルギフルギ」「トタトタ」「チンチャチンチャ」「チョアチョア」などの韓国語がそのまま使われている。2NE1の「I AM THE BEST」も、タイトルこそ英語になっているが、リフレインの部分は韓国語の原題「ネガ チェイル チャラガ」がそのまま歌詞になっている。「日本語で歌うK-POPなどK-POPといえるのか」という一部の指摘を受けてのことかもしれないが、そもそも「百パーセント日本語の歌詞」というのは無理な話なのだ。