チャン・グンソクは最近いなかったニュータイプのエンターテイナーだ。

 来年デビュー20周年を迎える24歳の彼は、20代を代表するイケメン俳優。日本では、ペ・ヨンジュンの牙城を脅かす「グンちゃん」として親しまれ、韓国、日本だけでなく中国、タイと活躍の場を広げている。しかし、本当に興味深いのは、その幅広い層からの熱い人気だからではない。

 カメラの前で思春期を過ごし、大人になったチャン・グンソクは、一番ストレートな言葉や行動で、自らを表現する芸能人だ。気分が乗ればトークショーの途中でもダンスを踊ったり、顔を覆ったマスクを下げてファンにいたずらをしたり、「これは違う」と思えばツイッターに警告を残す。

 そんな彼だからこそ、10日に公開されるロマンチック・コメディー『きみはペット』がとても興味深い。同映画は、このハツラツとしてエネルギッシュで、愛嬌たっぷりの俳優のまた違う一面を見ることができる作品だ。

-映画の雰囲気がすごく甘い。もちろん狙ってのことだと思うが。

「それなら幸いです。明るい映画を作ろうと作りましたが、試写会での反応がとても良かったです。友人たちも、“すごく甘かった”“演技が細かい”というような反応で。ひとまず、ハヌルさんに感謝しています。出ていないシーンがほとんどないこの映画の主人公であり、物語を引っ張っていくキャラクター。先輩らしく現場をまとめてくださり、感謝の気持ちを伝えたいです」

-本当にいろいろなことを同時にこなしている。最近は、さらに多くの仕事をしているのではないか。体は大丈夫か。

「今のところは大丈夫のようです。酒が飲みたくなるので(笑)。今は韓国だけでなく、日本、中国にも行ったり来たりしています。車に乗ると、僕が車に乗っているのか、車が僕に乗っているのか分からない。僕が時間を過ごしているのか、時間が僕を食い尽くしているのか分からないほど。一瞬でも気を抜くと、誰かに食われてしまう。でも、あまりにも大変なときは寝れば、回復します。もともと睡眠は多くないので、酒を飲んで寝ても5時間で目覚める。それで一緒に飲んだ人に電話をして起こすんです(笑)」

-エネルギーの源は何か。

「自分の中から自然と出るもの。忙しいから“それはできない、これはできない”というよりは、やりたいことのほうが多い。『きみはペット』は2011年の唯一の作品。僕の代表作となり、“日本でも珍しく成功を収めた韓国映画”になることを願っています。次の作品の『愛の雨』も、僕の20代の代表作になればうれしい。大変でも、それを目標にするなら、受け入れるしかないです。信念を持っていれば、何でもポジティブなエネルギーに変わるし、変えるしかない」

-そんな中、学校にも通っている。

「授業料が500万ウォンなので、もったいないじゃないですか。苦労して学校に入ったのだから、見つけなければならないものは見つけないと。勉強はできなくてもいいですが、自分が得られるものは得なければならないと思います。大学は寝ていても起こしてくれないです。寝ていれば自分がバカになる。自分自身に堂々としていたいとも思います。芸能人だから簡単に入れて、簡単に卒業する、と後ろ指を指されたくないです」

-チャン・グンソクはそのままだが、「グンちゃん」になってから、何か変化したことは?

「見られることが多くなったり、意図せず事実が変わって誤解を受けたり、そういう部分ではないか。大鐘賞も、ツイッターもそうですが、何かすると記事になるので。別の見方をすると、慎重にすべき部分なのに、慎重になることが怖気づくことにもなりうる。怖がっていませんが、自分の意図とは違うことが生じるのが残念」

-先ほど話が出たので聞くが、『きみはペット』で共演したキム・ハヌルは、今まで共演した女優とは違うようだ。友達と恋人の間?

「主人とペットです(笑)。スケジュール調整するときもお互いに合わせました。ハヌルさんは単純なので、おいしいものを食べると静かになる。どこか予約しておけば、“遠い”とぶつぶつ言いますが、食べるとにっこり。カメラが回っていないところでは、ペットと主人の関係が逆になることも。実際、こういうことは初めて。これまでは、感情が混じるのを心配して、女優さんに対しても“俳優仲間”という意識が先立っていましたが、ハヌルさんは初めてそれを覆してくれた人。ハヌルさんと出会ってから、親しくなる芸能人が増えました」

-もうすぐデビュー20年。どんな決意をしているのか。

「もう自分の人生の3分の1、(記者が3分の1は短いと指摘すると)いや、4分の1を生きてきましたが、振り返ってみると後悔せずに生きてきたと思います。でもこれで終わりだといえば、一生後悔すると思う。世の中にもう少し飛びかかっていきたい。残り4分の3も、自分の体面や地位などに満足すれば、そこで止まってしまう。残りも後悔しないように生きたい。もう少し広い世界に出てみたいです」

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