(C)Yasue Nakazumi

 『IRIS-アイリス-』スタッフが再結集、製作費200億ウォンの巨大プロジェクトによるスパイアクションドラマ『ATHENA-アテナ-』。この作品で、カリスマあふれるアメリカ国家情報局(DIS)東アジア支部長ソン・ヒョクを演じたチャ・スンウォンにソウル新羅ホテルにてインタビューをした。

―『ATHENA-アテナ-』のシナリオをもらった時の感想は。

 「初めはシナリオの内容は見ずにキャスティングがよかったのでこのドラマをやることにしたんですが、それがいけなかったんですね…冗談です(笑)。スケールの大きさ、内容のおもしろさが興味深かったです」

―チャ・スンウォンさんが演じられたソン・ヒョクの魅力とは。

 「悪役の魅力は何ですかという質問は多いと思うのですが、最近のはやりみたいです。ソン・ヒョクという人物には、1人の女性を思う愛があって、悪事を働いても、それをカバーしたんじゃないかな? それが僕の考えるソン・ヒョクの魅力です」

―アクションの多いドラマでけがをすることも多かったと思いますが、印象に残っているシーンはありますか。

 「1話で格闘家の秋山成勲さんとやったアクションシーンが一番大変でした。アクションシーンは見た目は大変そうですが、ルールを決めて行うので、けがをしたりということはなかったのですが、秋山さんとのシーンは体力的にも苦労したので、そのシーンは印象に残っています」

―特にお気に入りのシーンは。

 「1話のアクションシーンもよかったし、最後のシーンもよかったと思います。あとはへイン(スエ)にプレゼントをするシーン。ソン・ヒョクのイメージと違うシーンだったので、それも魅力があると思います」

―組織と仲間を裏切る、といういくつかのターニングポイントがあると思いますが、そのターニングポイントごとに何か心境の変化はありましたか。

 「全然ありませんでした(笑)。予想されたことだったので…後半になるにつれ、何かが明らかにならなければいけない、という面があるので、心の準備はできていました。一番心配したのは、椅子に座って、指示をするようなシーンがつまらなかったらどうしようと(笑)。それはどうにか避けられたようです」

―ソン・ヒョクのキャラクターを作るためにせりふのアイデアを出されたと聞いたのですが、どのようなせりふだったのか、また気に入ったせりふがあったら教えてください。

 「心臓のエピソードは僕がつくったものです。生きる理由について、『僕の心臓を動かすのはこれだ』と話したこと、これが印象に残っていますね。ソン・ヒョクはへイン(スエ)のために、取り返しのつかないことばかりします。一度過ちを犯すとそれを埋めようとまた別の過ちを犯すようになるのですが、そうするしかなかった決定的な理由はヘインだし、へインが自分の心臓の一部ということを表現したかったんです」

―最期のシーンが印象的で、目の演技もよかったのですが、そういうところの役作りは。

 「僕は最後の引き際が大事だと思っています。素敵に登場するよりも素敵に去っていくほうが、観客の心に残ると思います。目の演技も、引き際のためです(笑)。終わり方次第で『なんてダメなやつだ』『ああ、かわいそうな人だ』と評価が変わるので(笑)」

―ソン・ヒョクはカリスマ性のある男でしたが、個人的にはどんな男だと思いますか。また、ここはどうしても理解出来ないというところはありますか。

 「ソン・ヒョクのことは全然理解できませんでした。あまりにも断片的なところばかりドラマでは見せたのですが、正直僕はこういう人物は好きではないです。あまりにも単純で演技するのも大変だし…(笑)」

―今まで出演されたドラマでは、せりふがはやるなどしたのは、チャ・スンウォンさんならではだと思いますが、そのために何か努力されていることはありますか。

 「ドラマの撮影では、キャラクターに合わせてせりふを話す声のトーンを初めに決めています。あとは相手役の方とせりふの呼吸を合わせることにも時間をかけました」

 優れた作戦処理能力を持つNTS特殊要員イ・ジョンウ役にチョン・ウソン、同じくNTS所属ながらミステリアスなユン・へイン役にスエ。ほかイ・ジア、キム・ミンジョン、チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)、チャンミン(東方神起)らが出演する『ATHENA-アテナ-』DVD(発売・販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント http://kandera.jp/sp/athena/)セルSET1、レンタルVol.1-5は12月16日、セルSET2、レンタルVol.6-10は2012年2月3日リリース。また、テレビ東京にて今月30日より放送開始予定だ。

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