私は20歳になったばかりの女子大生だ。幼いころから、20代になったら必ずしてみたいと思っていたことがある。それは「世界一周」。これまで海外旅行をしたのは韓国だけだが、ちょうど「2011慶州世界文化エキスポ」が開幕したというニュースを知り、間接的にでもいいから世界一周を経験してみようと、エキスポ公園を訪ねた。

 慶州普門団地に入ると、大きな塔が描かれたタワーがすぐ目に入り、容易にエキスポ公園にたどり着くことができる。週末だったせいか、来場者が多く、入場するだけで長い時間がかかった。それでも幸い、楽しみにしていた「フライング」という公演を見ることができた。

 公演が始まるとすぐ、お化けや花郎(貴族の子弟たちにより組織され、心身の鍛練を行った団体)の繰り広げる楽しい演技に目がくぎ付けとなった。公演の前半から、ブレークダンスを基にしたパフォーマンスが華やかに繰り広げられた。お化けや花朗たちが主人公となり、歴史的な内容も理解できる構成になっている上、セリフのない公演のため、外国人の私にも分かりやすかった。

 公演の後、チョンマ公演場に向かった。ここでは各国のダンスを見ることができた。ダンスこそ万国共通であり、その国を最も理解できる言語ではないかと思った。抑制された静かな動きが美しい韓国の扇の舞をはじめ、見ている人までつい体を動かしてしまうような各国の伝統舞踊による公演は、忘れられない思い出の一つとなった。

 しばらく散策した後、ワンギョンの森で一休みすることにした。新緑の青さがそのまま残っているようなこの場所は、新羅の王たちが散策した森を再現したものだという。ベンチに座ってさわやかな秋の風に吹かれると、疲れが吹き飛ぶような気がした。

 休息の後、いつも遠くから見ているだけだった慶州タワーに上ってみた。タワーの中央に描かれた塔は、現在、跡だけが残っている皇竜寺の九重の塔を再現したものだという。最上階まで上るエレベーターの数字が、階数ではなく、高さを表す数字だったのが興味深かった。展望台からは慶州を一望できた。太陽の光が反射してキラキラ光る普門湖と、周囲を囲む観光施設が見渡せた。

 広大なエキスポ公園を一周すると、いつの間にか太陽が沈みかけていた。そして、静かだった慶州タワーが華やかな変身を遂げだ。クルクルと華やかに動き回るレーザーと、タワーを囲む美しい映像が音楽と一体になり、見事なショーが始まったのだ。帰ろうとしていた観光客たちも一瞬足を止め、その美しい光景を眺めていた。夕日に染まる慶州タワーを見ながら、必ず世界一周の夢を叶えようと心に決め、楽しい慶州での1日を終えた。

マツバラ・アヤ(釜慶大学3年)

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