歌手タク・ジェフンがこのほど、あるトーク番組で「芸能人割引カード」について語り、話題になった。「レストランで芸能人に発行される50%割引カードがあると思い、元を取ろうとたくさん料理を注文した。そうしたら、会計の時に有効期限が過ぎているのに気が付いて慌てた」というものだ。

 ファッション業界・ビューティー業界・流通業界ではマーケティングのため、タレントに割引サービスを提供するのが公然の秘密になっている。中でも芸能人が一定期間使える割引カードは、主に外食業界で支給されている。レストランは衣類・化粧品・アクセサリーなどに比べ支払い金額が少ない一方、訪問頻度は高いため、企業としては割引カードを発行するほうが負担にならないというわけだ。一方、衣類・化粧品メーカーは割引カードを発行しないのが一般的だ。単価が高いため、割引カードを支給すれば、業者側の負担が非常に大きくなるからだ。

 あるレストラン関係者は「芸能人が来ると、すぐに『食事に行ったらタレントの○○○さんがいた』といううわさが流れる。宣伝効果が高いため、約30%割引になるカードの発行対象者に芸能人も含まれている。主に店頭でカードを発行するが、食事に来た芸能人が先に発行を依頼するケースもある」と話す。

 文化マーケティング専門家のイ・ギョンソン・ウィズカルチャー代表は「業者によっては、芸能人の人気度や知名度に応じてランク分けをし、Aランクは50%、Bランクは30%というように割引率に差を付けるところもある。宣伝効果を考えると、多少割引したとしても会社側からすれば決して損にはならない」と説明した。

 トップスターだけでなく、無名のモデルや芸能界を目指す訓練生たちも割引カードの発行対象となる。スターに比べネームバリューは劣るが、マーケティング目的ということを気付かれにくいというメリットがある。 「心地よいレストラン」「癒し系のイケメンや美女が多いレストラン」というクチコミを狙うのだ。

 一般客には販売されていない商品券・割引クーポンをタレントに発行している一部の衣類・化粧品メーカーも、割引カードを発行するケースがある。イ・ギョンソン代表は「毎回割引を依頼するのは、芸能人にとっても決まり悪い。こうした事情に配慮し、自社の広告モデルやブランドと親しい関係にある芸能人には割引カードを提供することもある」と話した。

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