温かい人間模様を情感豊かなせりふでつづる人気脚本家ソ・ヒョンギョン(『華麗なる遺産』)の最新ファンタジーラブロマンス『私の期限は49日』で、人間ではない「スケジューラー」という死神役を演じた俳優チョン・イル。あのさわやかな青年が「死神」?と疑問符が付いたが、そのキャラクターはこれまでのイメージの「死神」ではなかった。チョン・イルに、さまざまな人間愛を描いた『私の期限は49日』について聞いた。

―このドラマへの出演を決めた理由は何だったのでしょうか。

 「今までになかったキャラクターだったので、やってみたいと思ったのが一番の理由です。そして、作家と監督への信頼が大きかったです。実は、この作品で僕が一番最初にキャスティングされたんです。なので、相手役が誰なのか、気になってました(笑)」

―「スケジューラー」ソン・インスという役をどう思い、挑みましたか。

「最初は人間じゃない、死神なので、クールで冷静なキャラクターで、黒い服ばかり着なくてはいけないのかと思いましたが、監督と一緒に話しながら、アイデアを出したんですよ。今までの死神とは違う現代版スケジューラーを作ってみようと。せりふのトーンも弾けるときは弾けて、冷静なときは本当に冷静に…ドラマが終わったときに『死神』じゃなくて『スケジューラー』と言ってもらえるようになりたい、と思ったのですが、そのようになってすごくうれしいんです。ツイッターをしてるんですが、海外ファンたちがみんな、そう呼んでくれて本当に気分がいいです」

―スケジューラーはスタイリッシュでしたが、ファッションのポイントはありましたか。

 「スタイリストさんと、雑誌などいろいろ参考にしながらすごく研究しました。そして結論として、黒い服を着るのではなく、おしゃれに、華やかにしようということになりました。でも、それでも仕事をするときは正装やジャケットを着るなど死神のイメージがあった方がいいと意見を出しました。公私をはっきりさせるキャラクターなので、遊ぶときはラフなスタイルでクラブにも行くし、オートバイにも乗るし、楽しく遊ぶけど仕事のときはしっかり仕事する、と(笑)」

―お気に入りのスタイルは。

「ロングのカツラをかぶっていたときのスタイルが好きでしたね。赤いトレンチコートも…後半はロングコートをよく着ましたが、それも気にいってました」

―後半でイギョン(イ・ヨウォン)との関係がわかると、演技にも変化が必要だったと思いますが難しかった点や意識した点は。
 
「イ・ヨウォンさんと演技するときは、僕は、最初は記憶がないけど、それでも自分が愛した人だから何か違うはず、と思いながら、表情や言葉使いなどに変化をつけて演技をしました。後半、イギョンが愛した人だと分かったときからは、自然に感情が入っていきましたが、ヨウォンさんがそれをすごく助けてくれました」

―キスシーンがとても素敵だったんですが、年上でベテランのイ・ヨウォンさんが相手で緊張しましたか。

「キスシーン…ハハハ(笑)。緊張したというより、別れのシーンだったので、台本を見た時は、泣いちゃいました。僕が台本を見て泣いたのは初めてだったんです。本当に悲しくて胸が痛いシーンだったので、キスシーンということよりも、その感情のほうが先に立って、その思いを一番に演技しました」

―現場の雰囲気はどうでしたか。

「本当に良かったです。スケジュールがタイトだったので、大変は大変だったんですが、ヨウォンさんとは時間が空いたら一緒に食事にも行ったし、撮影以外でも一緒の時間を持てたことで、仲も良くなり演技もしやすかったと思います」

―特に好きなシーン、ここを見て欲しいというところは。

「僕が赤いトレンチコートを着てカフェでイギョンとすれ違うシーンがあるんです。僕が『これから、この女のいる所には呼ぶな』と言って振り返る、イギョンと思いがけなく会うシーンがあるんですが、その時のふたりの眼差しが良かったと思います。それから、別れのシーンも好きなシーンで…でもどれもひとつひとつ大事なシーンです」

―撮影後に思ったことは。

「このドラマを撮ってからは人生、命についていっぱい考えました。本当に大事だと。一日一日を無駄に過ごしてはいけないと。そして今自分が生きていること、していることを楽しみながら一生懸命すればいいんじゃないかと思いました。皆さんもドラマを見たあと、自身の人生を考えるドラマになるんではないかと思います」

―ドラマが終わってオフでは何をされていますか。

「オフがオフじゃないんですよ(笑)。終わってすぐにカナダに広報大使で行ってきて、中国でも行事があり行ってきて、と忙しくしてたんですが、次回作が決まって来週から撮影で、休みがないですね。でも、久しぶりに高校生役で(笑)、僕によく合ったキャラクターのようだし、ラブコメなので、楽しく撮影できるのではないかと期待しています」

―『イケメンラーメン店』ですね。金持ちの息子でクールなシティボーイ役だそうですが、何か準備をされていますか。

「ラーメンをおいしく作れるように努力しています(笑)。それから、高校生役なので今までしたことがないんですが、肌の手入れもするようになりました(笑)」

―忙しくて、仲良しのイ・ミンホさんやキム・ボムさんと遊ぶ時間もないですか?

「ミンホとは僕がドラマ始まる直前に会って、僕のドラマが終わるとすぐミンホが『シティーハンター in Seoul』に入って、そしてミンホが終わったら僕がカナダに行ったりで…連絡は取ってるんですが、本当に大分会えてないですね。会いたいよ~(笑)。ボムとはよく会ってます。でもボムも僕もドラマが始まるんで…」

―チョン・イルさんは、涙3滴は誰にもらいますか?

「ファンの方たちに(笑)。もらえるかなあ?」

 イ・ヨウォン、チョ・ヒョンジェ、ぺ・スビン、ナム・ギュリら出演の『私の期限は49日』。何不自由なく幸せに暮らしていたジヒョンは、不意の事故で生死の境界に立たされる。「スケジューラー」は彼女に生き返るチャンスを与えるが、その条件は「血縁者以外の、彼女を心から愛する3人の涙を得ること」。簡単と思われたが…。

『私の期限は49日』DVD-BOX1&2<ノーカット完全版>(発売元:フジテレビジョン/ポニーキャニオン 販売元:ポニーキャニオン)は11月2日発売。

ドラマ写真:(C)2011 SBS

ホーム TOP