野崎友子通信員
インタビュー:ユミン『美しい人生』
日本人ながら、韓国でも活躍している女優ユミンこと笛木優子。彼女が『IRIS -アイリス-』に次いで出演したドラマが『美しき人生』だ。ユミンにドラマについて話を聞いた。
―人気脚本家キム・スヒョン先生によるドラマに出演されていかがでしたか。
「キム・スヒョン先生の脚本は、せりふが長く難しいと有名です。2週間に1回、先生との台本読み合わせと演技指導があるのですが、共演者の方がめちゃくちゃ怒られたりしているのを見ていて、最初はあまりの緊張に吐きそうになりました(笑)。
韓国ドラマでは台本が最初からそろうことはまずありません。撮影当日に台本がメールで送られてくることもしばしば。ですがこのドラマは違いました。台本が事前にそろっているので大変なことはありませんでした。こんなことは初めてでした」
―題材が同性愛とセンセーショナルなテーマでしたが、反応はどうだったんですか。
「キム・スヒョン先生は、不倫や同性愛など、いつも先駆的な題材を取り上げます。しかし韓国も昔よりは開放的になったとはいえ、放送する度に賛否両論、ラストに近づくにつれ視聴率も上がりましたが、物議をかもしました。同性愛を演じる2人は美しい2人だから、観てて爽やかですよね?(笑) でも受け入れてもらうには時間がかかるのだなと思いました」
―ユミンさんが演じたチェヨンは、好きな人が同性愛者だったという難しい役どころだったと思いますが、演じていていかがでしたか。
「もし私がチェヨンの立場でも、彼と友達になろうとすると思います。もちろん悲しいけど受け入れたいと思う。そうした心境はごく自然に納得できたので、演じていてやりづらいとか、これ変!とか思うことは一切ありませんでした」
―印象的なシーンを教えてください。
「テソプ(ソン・チャンウィ)が、父親(キム・ヨンチョル)に自分が同性愛者であることを告白するシーンです(20話)。事前に母(キム・ヘスク)から聞いていた父親は、テソプの告白を静かに受け止めるのですが、もうそのシーンは今思い返しても胸が張り裂けそうです。とても感動的なシーンです」
―実際のソン・チャンウィさん、イサンウさんはどんな方ですか。
「ソン・チャンウィさんは、演技に対してとてもまじめです。そしてユーモアがあって優しい人。イ・サンウさんはクールな方です。出演者の皆さんとはよく撮影後に部屋飲みをしました。ほとんど済州島での撮影だったので出演者とスタッフ皆同じペンションに泊まっていたので、みんなでよく部屋に集まりました。撮影現場はアットホームでとてもいい雰囲気でした」
-チェヨンとユミンさんが似ているところは。
「チェヨンはかわいそうな立場の割には、積極的で一途で明るいのですが、私もそういうところが似てるでしょうか。私も興味のあることは積極的。単身韓国に渡って活動したことも、今思えば随分冒険したと思いますが、とにかく大好きな韓国映画に出演したかった一心でした」
『美しき人生』は、済州島を舞台に、口うるさい姑や突然現れた舅、心を開いてくれない先妻の息子、子供を育てることに不安を持つ娘夫婦など、さまざまな人々を通じ、韓国の現代社会の問題や家族のあり方、さまざまな愛の形が描かれるホームドラマ。キム・ヘスク、ソン・チャンウィ、イ・サンユン、ナム・サンミら出演。
『美しき人生』DVD-BOX1(発売元:カルチュア・パブリッシャーズ 販売元:ポニーキャニオン)は9月21日リリース。同日TSUTAYAのみでレンタルスタート。
東京=野崎友子通信員