『友へ チング』『愛 サラン』など骨太な作品を手掛けてきたクァク・キョンテク監督との出会いも新鮮だった。クォン・サンウは「感傷的だけどコミカルな部分が多い恋愛映画。観客の胸に重くのし掛かりながら、笑いも提供できるチャンスになりそうです」と話す。
  初海外進出作の中国映画『Repeat I love you』に続き、ジャッキー・チェンとともにキャスティングされ話題を集めたグローバル・プロジェクト『チャイニーズ・ゾディアック』(原題)を撮影しているクォン・サンウ。その最中に帰国し、『痛み』のプロモーションをこなしているところだ。今後も、ハリウッド映画や中国ドラマなど海外作品に相次いで出演する計画があり、今年は海外進出元年として意義深い1年になりそうだ。
  特に、子どものころにあこがれてたジャッキー・チェンとの作品は、クォン・サンウに大きなインスピレーションを与えている。
  クォン・サンウは「兄と一緒に映画で見たスターと共演できるというのに、今も実感がありません。ひょっとしたらハリウッドスターたちと共演するよりもエキサイティングな仕事」と言って笑った。
  クォン・サンウはジャッキー・チェンから「若いころの自分を見るよう」と言われたそうだ。「撮影現場ではジャッキー・チェンさんを『ターガァー(大哥=兄貴)』と呼びました。でも、ジャッキーさんはいつも僕に『見せすぎないで、出し惜しみしろ』とアドバイスしてくれました」とエピソードを紹介した。
  もちろん、このような幸運の裏には、数年間の人知れぬ努力があった。当初、今年初めに公開されたハリウッド大作『グリーン・ホーネット』のメーンキャスト候補だったが、中国語圏のスター、ジェイ・チョウに役を奪われ、悔しい思いをした。
  「当時はいくつかの条件が合わず落とされましたが、今振り返ってみると、さらにいいチャンスを得るきっかけになりました」
  だから、今年末に正式発表されるもう一つのハリウッド作品では、アジアの俳優として「何かを見せてやりたい」という気持ちでいっぱいだ。「10月からは体もしっかり鍛え直し、僕だけのアクション・スタイルにピッタリの雰囲気を探したいですね。欧米人にはない繊細かつ流れるようなアクションを見てほしい」と意気込みを見せた。
  このように意欲的に取り組んでいる背景には、結婚4年目を迎えた一家の大黒柱としての責任感がある。撮影がないときは、妻と交代で息子ルッキ君の幼稚園の送り迎えをするなど「普通の父親」というクォン・サンウ。そろそろ二人目のことも考えている。
  「海外滞在中は妻とルッキにすごく会いたくなるので、撮影現場で一緒に過ごすこともあります。 近いうちに二人目にも恵まれたらいいですね」

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