【チャン・ソユン記者、写真=キム・ジョンウク記者】 俳優コ・ス(32)は、俳優仲間やファンの間でもいつも慎重で口数が少ない「品行方正な青年」として知られている。

 ドラマ『ピアノ』(2001年)を撮影していた時、共演した先輩俳優のチョ・ミンスは、コ・スについて「撮影現場でも黙って一人で鉄棒にぶら下がっているのが好き。物思いにふけるのが好きな後輩」と回想している。

 そんな彼が俳優生活10年目にして自分を変えようとしている。20日に公開される映画『高地戦』(チャン・フン監督)では、これまでのおとなしく優しいイメージをかなぐり捨てたのだ。

 休戦交渉の開始と共に、すべての戦いが高地戦に突入した韓国戦争(朝鮮戦争)後半の2年間を描く『高地戦』。休戦直前の1953年夏、東部戦線最前方のエロク高地をめぐるし烈な死闘と、その中での人間愛が物語の中核だ。

 コ・スが演じているのは、大学生でありながら戦場に連れてこられ、後に「英雄」と呼ばれるほど変ぼうするイ・スヒョクという役。気弱で怖がりな若者が、度重なる戦闘の中で徐々に本来の自分を失い、別人のようになっていくさまを演じた。

 「人は誰に会うかで変わると思います。僕の中には、数えきれないほど多くの僕がいるということ。その中で、これまでは表に出ていなかった僕の一面を見せました」というのがインタビューの第一声だ。自身の役柄の変化については「満足したとは言い切れませんが、いい経験になりました」と語った。

 この映画では、前半部と後半部で性格が180度違う演技をする。戦争を怖がっていた普通の大学生が、内なる冷酷非情な一面に目覚め急速に昇進、戦場で認められる兵士になっていく。


■「自分の中の別の面を見せたかった」

 このような役柄の急激な変化について、コ・スは「外見より内面の変化に力を注ぎました」と語った。「考え方が変わるにつれて外見も変わるように、内面が変わっていく部分により集中すべきと思いました」。

 「戦場でスヒョクに何があったのだろうか…映画には出てこない、そのブランクをどのように考え、満たすべきかいろいろ悩みました」というコ・ス。それを表現するため、さまざまな手法を試みた。

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