スターインタビュー
インタビュー:熱愛イ・サンユン「濃厚なラブシーンやりたい」(上)
3年前だ。主演も2作品目となり、「新人」から抜け出しつつあったイ・サンユンに会ったのは。品のある優しい顔立ちとえくぼ、韓国一の大学・ソウル大在学の優等生というイ・サンユンは、芸能人というよりも「地元の教会に通っていそうな親近感のあるお兄さん」、あるいは「オムチナ(“母親の友達の息子”という意味の韓国語を省略した言葉で、ルックスも成績も優れ、うらやましがられる完ぺきな人のこと)」という表現がぴったりだった。
礼儀正しい態度や話し方、オフには友達とバスケットボールをするという健全な趣味…。だからだろうか、優しい息子やエリートの役を主に演じ、そうした「オムチナ」の看板は簡単には外せそうになかった。そんな時、脚本家キム・スヒョンのドラマ『人生は美しい』(SBS、2010年3月-11月放送)にキャスティングされたと聞いた。「頭で考えるよりも体ごと飛びかかるような役。スキューバダイビングのインストラクターなので、体作りもしなきゃ」。
この時はイ・サンユンにとって絶好のチャンスだと思ったが、これまで築いてきたイメージを捨てるという思い切った決断が、もしかしたら「あだ」になるかも…と心配もした。しかし、イ・サンユンは「ホソプ」という役名で呼ばれるようになるほど熱い反響があった。今年6月初めには相手役を務めたナム・サンミとの交際も明らかになり、「役にハマっていた」のが証明された形になった。
その後、ドラマ『楽しい我が家』(MBC、10年10月-12月)ではセクシーな刑事役、『チャクペ~相棒~』(MBC、11年2月-5月)では生まれて初めての時代劇にも挑戦、オフ返上で出演が続いた。
「デビュー後、同じような役を2・3回演じたら、欲が出てきて。所属事務所は僕のプロフィール上、『幅広い役のオファーはなかなか来ないだろう』と言っていたけど、あきらめませんでした」。そうして引き受けることになったのがドラマ『No Limit~地面にヘディング』(MBC、09年9月-11月)だった。若手出演者中心のミニシリーズドラマで、初めて演じた悪役に意欲的だった。ところが、視聴率が振るわず酷評され、挫折を味わった。
「当時はすごく変化を求めていました。善良な顔の裏側にあるとてつもない悪意、それを表現したかったけれども、簡単ではないですね。それでガッカリしていたところに、『人生は美しい』のオファーが舞い込んできました」。彼にとって『人生は美しい』はあまりにも完ぺきだった。少し俳優業を休み、休学中のソウル大学物理学科に復学しようとした時だったが、この作品に出なければ一生後悔しそうな気がした。結局、済州島とソウルを行き来しながら、学業と俳優を両立することにした。
「二兎(にと)を追って二兎とも手にするのは不可能でした。マメにすればできないこともなかったけど、役に入り込むと欲が出て…。『人生は美しい』に対する欲があまりにも強すぎて、先輩たちが僕のことを『ホソプ』そのものと認識することも多かった。最近は『チャクペ』に出演したので、スタッフの間で『クィドン(役名)っぽい』と言われました」