昨年4月、工事開始から19年目にして完成した全長33.9キロのセマングム防潮堤は「海上の万里の長城」と呼ばれ、世界最長の防潮堤としてギネスブックに登載れた。この防潮堤は全羅北道群山市のビウン港から古群山群島の夜味島、新侍島を経て、扶安郡の辺山半島に至る。

  全羅北道の新たな観光名所、セマングム防潮堤を紹介しよう。


 防潮堤は群山のビウン港から古群山群島の夜味島、新侍島を経て、扶安郡の辺山半島まで続く。群山の新たな観光名所となった防潮堤にはたくさんの観光客が訪れている。

 特に週末は、群山側にある防潮堤の入り口が観光客で込み合うが、平日昼間はひっそりとしている。やや寂しい気もするが、多くの観光客で込み合うよりは、ひっそりとしている方がいいかもしれない。

 防潮堤の観光は車を利用するのが便利だ。車で全長33.9キロの防潮堤を渡るのに約30~40分かかる。途中で周囲の景色を観賞し、ゆっくり休みながらドライブすると2~3時間はかかるはずだ。


 車窓から眺める防潮堤は、まさに果てしなく続いているように見える。面積がソウルの3分の2程度だというから、「韓国建国以来、最大の土木工事」という言葉にもうなずける。

 防潮堤の途中には数カ所、展望台を兼ねた休憩所がある。観光客は駐車場やトイレ、展望台などの施設がある休憩所で一休みし、景色を楽しみながら記念写真を撮影している。休憩所の売店ではさまざまな食べ物が販売されており、観光客に人気がある。

 防潮堤の中央にある新侍島は、古群山群島で最も大きな島で、人工島の造成がさらに進められている。ここにはホテルや飲食店のほか、観光、レジャー団地も建設される予定だ。新侍島の展望台に上ると、絵に描いたような古群山群島の島々がパノラマのように広がっている。


 新侍島では、およそ20年目にして雄大な姿を現したセマングム防潮堤を記念し、竣工記念モニュメント「約束の場所」を制作した。このモニュメントは防潮堤の素晴らしさ同様に目を引く。

 新侍広場にある高さ33メートル、幅33メートルの竣工記念モニュメントからは、世界最長の防潮堤の歴史と象徴性が十分に伝わってくる。

 ここだけでしか見られない、もう一つつの珍しい風景は「新侍排水閘門」。これは、オランダの防潮堤(32.5キロ)の排水閘門(8カ所)より2カ所多い、10の閘門を誇る韓国最大の排水閘門だ。岩盤の上に設置された幅30メートル、高さ15メートルの巨大な水門は、重さだけで484トン。油圧を利用して引き上げるが、完全に引き上げられるまでに45分かかるという。


 再び車に乗って移動し、新侍排水閘門とカリョク排水閘門を過ぎると、セマングム防潮堤のもう一つの始点であり終点でもある扶安郡辺山面大項里に到着する。

 扶安郡に到着して最初に目についたのは、セマングム臨時広報館だ。ここは現在、農林水産食品部(省に相当)と韓国農魚村公社が新たに建設を進めている総合広報館が開館する今年11月まで、訪問客の便宜を図るために臨時で運営されている広報館だ。


 セマングム総合広報館のソン・サンホ館長は「昨年4月、セマングム防潮堤開通から9カ月間で、同地を訪問した人は計743万7300人に及ぶ。このままいけば、開通10カ月目に当たる今月末ごろには、訪問客の数が800万人を超える見通しだ」と話した。

 今後、セマングム地区にホテルや水族館など、複合レジャー観光団地を建設する「メガリゾート開発」事業が本格的に進められる予定で、文化観光研究院は防潮堤の周辺や観光団地などに各種施設が整う2020年ごろには、年間訪問客数が1000万人を超えると見通している。



■周辺の観光スポット情報

銀波観光地のロマンチックな夜景

 銀波観光地は米堤貯水池を中心に建設された遊園地で、1985年に国民観光地に指定された。「東国輿地勝覧」によると、この貯水池は朝鮮時代以前につくられたもので、堤防はキム・ジョンホの「大東輿地図」にも載っているほど有名だ。


 銀波観光地の一番の魅力は、夕日が沈んだ後に見られる美しい夜景だ。貯水池を横切る光の橋は、赤、青、黄、緑のライトが点滅を繰り返し、空と水面を幻想的な光で飾る。美しいメロディーに合わせて変化するこの光の供宴に、橋を渡る人は皆目を奪われる。

遊覧船から見た最高にきれいな夕陽


 群山の内港から約50キロほど離れた古群山群島は、仙遊島、巫女島、荘子島、新侍島など63の島からなる。仙遊島の夕日や明沙十里、望主峰、壮子島の獅子岩、おばあちゃん岩、防築島の独立門岩、明島とフェンギョン島の海岸の絶景、馬島のカモメなどは一見の価値あり。ピウン港の月明遊覧船ターミナルで遊覧船に乗ると、古群山群島やセマングム防潮堤を一周することができる。

運航時間:午前11時、午後2時(月明遊覧船ホームページ参照)

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