スターインタビュー
インタビュー:5年ぶり映画出演、コン・ユ(上)
人気絶頂のとき、2年間の空白を強いられるとしたら、焦燥感に苦しむだろうか。それとも不安に陥るだろうか。
コン・ユは不安より、安心する気持ちが強かったという。ドラマ『コーヒープリンス1号店』で人気がうなぎ登りだったころ、突然、軍隊に入り、昨年12月に除隊した。今月9日に公開された映画『キム・ジョンウク探し』で再びファンの前に姿を現すまで、3年余りの歳月が過ぎた。
しかしコン・ユは、「残念な思いがなかったといえばうそになる。当時は多くのスポットライトを浴びたため、自分を見失うのではないかと怖くなった」と回想する。だから、軍隊で自分を捨てることができたのは幸いだったという。
コン・ユにとって『キム・ジョンウク探し』は、復帰作としては不適当な作品と言われる可能性もあった。『恋の潜伏捜査』以降、映画出演は約5年ぶりの上、テレビドラマでは人気があったが、映画での可能性は未知数だったからだ。さらに、ミュージカルが原作の『キム・ジョンウク探し』はロマンチックコメディーだ。そして、かっこいいとはほど遠い、女々しい男というキャラクター。初恋の人を探す女性を手助けしながら、結局、その女性と恋に落ちる。相手は一時、熱愛説まで持ち上がったイム・スジョン。
コン・ユはどうして『キム・ジョンウク探し』を選んだのか。
-除隊後初の作品に『キム・ジョンウク探し』を選んだ。相手役がイム・スジョンということで、注目を浴びることは予測できたはずだが。
「作品の選択はそれぞれ自由だから…。映画以外の関心が集中するだろうとは思っていたが、これ程とは思わなかった。除隊後初の作品のため、頼もしい支援軍が必要だった。イム・スジョンが出演するという話を聞いて、僕も驚いた。出演しないだろうと思ったから。彼女が出演してきたこれまでの作品のことを思い浮かべ、僕もやはり、偏見を持って人を見ていたようだ」
-偏見とは?
「単純に仲が良いことと、現場で俳優対俳優として向き合うことは違う。もちろん、イム・スジョンに『新鮮さがない』と言われたときには笑ってしまったけれど…。人々に興味本位の視線で見られることには、今でもプレッシャーを感じるが、撮影中、そんなことは完全に忘れて楽しく撮影した」
-除隊後初の作品ということで緊張もひとしおだったのでは?
「制作報告会の前夜は一睡もできなかった。だから、朴智星(パク・チソン)選手が出場したサッカーの試合を一晩中見ていた(笑)。入隊する前の作品がかなりスポットライトを浴びたので、俳優としての自分を捨てようと努力した。あまりに多くの人たちが応援してくれたため、かなり自分を見失いかけていたような気もしたし…」
-ほかの俳優たちは、除隊後「かっこいい役」を選ぶけれど、この作品はロマンチックコメディーというだけでなく、女々しい男の役でもある。さらに5年ぶりの映画出演になるが…。
「ドラマの方がやりやすいとは思わなかった。ただ、映画に対する懐かしさのようなものがあった。かっこいい役を期待していた人たちには申し訳ないが、女々しい男だと思ってくれたら、僕としては成功したことになる。以前はこういう役を演じたから、今回はこういう役を演じるべき、というような考え方はしないことにした」