韓国の詩人・徐廷柱(ソ・ジョンジュ)は「緑が疲れ切って紅葉する」と歌った。その詩の通り、夏が終わり涼しい風が吹き始めると、濃い緑の葉は真っ先に秋を迎える準備をする。うっそうと茂っていた緑は、鼻先に当たる寒風と共にゆっくりと色を変え、11月になると紅葉は絶頂に達する。秋には、韓国のほとんどの街や山で色とりどりの紅葉が楽しめる。
 ご存じの通り、紅葉は季節の変化により緑の葉が赤・黄・茶色などに変わる現象だ。韓国のように四季の移り変わりがはっきりとしていて山が多い国では、気温が下がる初秋から11月初旬にかけて、北から紅葉前線が南下し、韓半島(朝鮮半島)を染める。韓国の紅葉のスタート地点は江原道の雪岳山と五台山の山頂。ここから始まった紅葉は山の下の方へ一日40メートルずつ、南に一日25キロずつ移動し、おおむね内陸地方のほうが海岸地方より10日ほど早く染まる。9月と10月の気温により、山の80%以上が紅葉で染まった時が紅葉のピークだ。
 ソウル市内にも紅葉が美しく、秋の趣を満喫できる名所が多い。国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に指定されている昌慶宮の裏庭は、韓国の宮殿と紅葉を一緒に鑑賞できる最高のスポット。そのほかにも、黄色いイチョウの葉が黄金色の湖を生み出す松坡区内の慰礼城道、全長3.2キロの堤防道がある城東区松亭洞、景福宮から国立民族博物館、大統領府まで続く鍾路区三清洞道、恋人たちのためのロマンチックな紅葉プロムナードがある中区貞洞道、南山をかこむドライブ・ロードとして有名な竜山区素月路、8キロにわたり柳の並木道が伸びている蘆原区花郎路などが有名だ。

白羊紅葉祭り

白岩山の奇岩・怪石や、天然記念物となっている榧(かや)の森の中に、建立1000年以上という名刹(めいさつ)・白羊寺がある。五色の紅葉が最も美しい11月初めには、白羊紅葉祭りが行われる。紅葉の美しさを満喫しながら全羅南道長城郡の観光名所をめぐる紅葉山登り大会など、特色あるテーマでさまざまな楽しみがある祭りだ。ライブ公演や森歩き体験といった体験イベント、紅葉の盆栽や紅葉写真展などの展示イベントが催される。

*アクセス: 江南セントラル・シティー・ターミナルから長城行き高速バス利用(3時間15分)、または龍山駅から長城駅まで韓国高速鉄道(KTX)利用(2時間30分)。長城駅から白羊寺までは郡内バスが運行。
*日: 11月5日-6日
*場所: 白岩山・白羊寺一帯
*Tel: 82-61-390-7224

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