グルメ
一味違う! 韓国各地のめん巡り(上)
◆スープが一味違うククス
■クコの実の産地「青陽」で味わうクコめん
忠清南道青陽には、クコの実を使ったさまざまな料理がある。
青陽でクコの実を使って韓菓(韓国の伝統的なお菓子)を作っている「クコの実広場」の主人は、クコ・メニューの開発に取り組んでいる。そして今回、クコの実カルグクス(韓国式うどん)と冷めんを新たに考案した。カルグクスは、クコの実を煮出した水を使い作った黄色いカボチャ色の手打ちめんで、辛い唐辛子スープとよく合う。
「青陽クコの実広場」:忠清南道青陽郡雲谷面厚徳里178
クコの実カルグクス4000ウォン(約290円)、クコの実冷めん5000ウォン(約360円)、クコの実ピビンめん5500ウォン(約400円)
■ガンの肉を煮込んだスープ「ガン・カルグクス」
忠清南道禮山にある食堂「ガン・カルグクス」には、興味深いエピソードがある。事業に失敗し、故郷に戻った夫婦が、ガンを偶然手に入れ育てることになった。そのガンはこの夫婦を実の親だと思ったのか、とてもよくなついたという。こうしてガンの飼育に目覚めた夫婦は、ガン飼育農場を営むことになった。
この店でガン・カルグクスを注文すると、薄切りにしたガンの肉とスープが入った大きな鍋が出てくる。肉を食べた後、めんを入れて煮立てると、高級ククス・チョンゴル(めんの入った鍋物)の出来上がりだ。最後はご飯を入れて、おじやにしてくれる。
ガン・カルグクス6000ウォン(約435円)、ガン鍋2万5000ウォン(約1800円)から、ガン肉の和え物3万ウォン(約2200円)
■マッコリが飲みたくなる辛さ「モリ・グクス」
店内に入ると、どこにもメニューが見当たらない。テーブルにつくとおばあさんがやって来て、「二人?」と尋ね、再び厨房の中に入って行った。しばらくすると、具材がたっぷり入った洋銀の鍋が運ばれてきた。アンコウやホヤ、イガイ、小さな生エビをはじめ、名前の分からない魚介類がたっぷり入ったぜいたくな一品。豆もやしとめんも入り、具材の量がさらに多く見える。
この店は、材料がなくなり次第、閉店となる。「モリ・グクス」の「モリ」は、たくさんの海産物を集めて食べるという意味だとか。
「カクネ・モリ・グクス」:慶尚北道浦項市南区九竜浦邑957-3
モリ・グクス5000ウォン、マッコリ2000ウォン(約145円)
■潭陽の市場で食べる「ソンジ・グクス」
ソンジ(動物の鮮血)を使ったコクのあるスンデ(豚の腸詰)が逸品。田舎の五日市(5のつく日に開催される市場)が開かれる潭陽市場内に店を構える「昔のスンデ屋」の大腸スンデが有名だ。雌豚の大腸にソンジや黒豆、もち米、ウゴジ(白菜や大根の葉)、ゴマの葉を詰め込み、竹の筒に入れて蒸したもの。大腸スンデのほか、豚肉を煮込んだスープにスンデとご飯を入れたスンデクッパなど、スープご飯の種類も豊富。このスープにソンジとめんを入れたのが「ソンジ・グクス」だ。
「昔のスンデ屋」:全羅南道潭陽郡潭陽邑潭州里5-2
ソンジ・グクス3000ウォン(約220円)、竹筒大腸スンデ1万ウォン(約720円)、セキボ(ブタの子宮)クッパ6000ウォン