スターインタビュー
インタビュー:ストリッパー演じるムン・グニョン(下)
■恋人にほかに好きな人ができたら、クールに別れる
『クローサー』はパトリック・マーバーの代表作で、映画化され、世界のファンを熱狂させた作品。
アリスはすべてを懸けて恋人を愛する女性。心が離れてしまった男に復讐(ふくしゅう)をするが、戻ってきた恋人を優しく受け入れる。
ムン・グニョンは「アリスの愛し方は魅力的」と話す。しかし、「致命的な恋に落ちたことはあるか」という質問には、「それには答えられない」と言って、少女のような表情をした。
もしムン・グニョンがアリスのような状況に陥ったら、すなわち愛する人に好きな人ができてしまったらどうするか。ムン・グニョンはこの質問に対し、ためらうことなく「別れてあげる」と答えた。
仕事と愛のうち、どちらか一つを取るとしたら、という質問には、「どちらもうまくいくよう努力する」と答えた。仕事と愛のうち、絶対に一つしか選べなければどうするか、とあらためて強調した後、「あす撮影と恋人とのデートが重なってしまったら」と聞くと、ムン・グニョンはこんな風に答えた。「撮影です。責任がありますから」
■「国民の妹」のイメージ、今後乗り越えなければならない課題
ムン・グニョンと言えば、「国民の妹」という修飾語がつきまとう。これは一朝一夕で変えることはできない。長い間、ムン・グニョンは妹として国民にたっぷり愛されたが、いつの間にか妹から大人の女性に成長した。『クローサー』を選んだのは、自分を閉じ込めている「妹」の枠を乗り越えるための努力の一つだろう。
しかし、女優ムン・グニョンは急がない。時間がたち、自分で努力をすれば、いくらでも変えることができると信じているからだ。
「以前と比べ、とても気持ちが楽になりました。自分は年を取らないと思っていたのに、当然そんなことはない。そして、わたしのファンの皆さんも、年を取っていくじゃないですか。そうしているうちに、自然と乗り越えることができるでしょう。自分のイメージを“荷物”だとは思っていません」
もしかしたら『クローサー』は、その努力を始めた第一歩なのかもしれない。だからこそ心構えもひとしおだ。
まだ幕は上がったばかりだ。ムン・グニョンは10月10日までアリスとして生きなければならない。演劇が終わるころになれば、きっと舞台で貴重な経験を得ることができるだろう。
「約40回、舞台に立つことになると思います。その間、1度でもいいから、観客と一緒に泣ける瞬間があればいいなと思っています。公演が終わってから、『アリス役はムン・グニョンしか演じることができない』という言葉を聞きたい。そうなれるように努力あるのみです」
子役から大人の女優になる通過儀式として、濡れ場の演技に挑戦することがある。しかし演劇は、演技の幅を広げることができる上、安全で、演技力も身につけることができる。ムン・グニョンにとって最善の選択だったのではないだろうか。やはり、ムン・グニョンは賢い女優だ。