韓日「女性アイドルグループ」の楽しみ方
日本の「お姫様風」アイドルと違ったパワフルなオーラ… 歌・ダンスの実力も上
同世代女性はあこがれ…男性にはまだ拒否感

 「韓国でのライブは『うぉーっ!』という男性ファンの歓声が大きいが、日本では『キャーッ』という声に圧倒されました。わたしたちと同世代の女の子たちです。わたしたちはそうした方たちにカッコよく見えるみたいです」(少女時代・サニー)

 最近、日本で「新韓流ブーム」を巻き起こしているガールズグループ(女性アイドルグループ)だが、当初の狙いとは違い、同性ファンから熱く支持されているという。先月25日に東京・有明コロシアムで行われた少女時代のデビュー・イベント「プレミアムショーケースライブ」は、観客のうち80%が10-30代の女性で、少女時代のコスプレをしたファンも客席を埋めた。少女時代より先に日本デビューした4minute(フォーミニット)、KARA(カラ)、BROWN EYED GIRLS(ブラウン・アイド・ガールズ)も同様だった。

 芸能プロダクション側は「韓国で男性をターゲットに作られたガールズグループだが、日本では女性ファンから集中的に歓声を浴びている。ファン全体の50%を超える数というのは驚くべき現象」と話す。ガールズグループは、韓国では「おじさんファン」という新語を生んだほど、10代はもちろん、30-50代の中年男性ファンを多数抱え、人気を集めてきた。韓国と日本で違う傾向の人気を呼んでいるガールズグループ、そのワケとは?


■キュートで親しみやすい日本のアイドル
パワフルでカッコいい韓国のガールズグループ

 2010年現在、日本を代表するアイドルグループといえば、「AKB48」と「モーニング娘。」だ。両グループに共通するのは、キュートで親しみやすいということ。ヒラヒラしたお姫様風のドレスを着て、「パラパラ」のように手や足の細かな動きが多いダンスをしながら歌を歌う。

 韓国のガールズグループは、躍動感あふれるイメージを前面に押し出している。ミリタリーやスキニーパンツのような細身の衣装で全身をフルに使うシャープな振り付けと、調和が取れたダンスフォーメーションを見せる。ステージでは自信とオーラにあふれている。

 SMエンターテインメントの金英敏(キム・ヨンミン)社長は「日本の女性アイドルグループは、男性が『守ってあげたい』と感じる本能を徹底的に刺激するよう企画されたもの。しかし、これに嫌気が差した日本の若い女性たちは、韓国のガールズグループにたくましさやパワーを感じ、ロールモデル(目標・あこがれの存在)と考えているようだ」と話す。

 大胆でパワーあふれる韓国のガールズグループは、21世紀の日本では珍しい。男性ファンに頼る日本の21世紀型アイドルグループとは違い、1990年代に大ヒットを飛ばした宇多田ヒカルや安室奈美恵は女性の支持を得て、トップシンガーになった。「グループ」でパワーをアピールする韓国のガールズグループは、こうした女性シンガーたちよりもさらに強く市場を揺るがす可能性が高い。

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