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タレントの海外ボランティア活動「表と裏」(中)
国際ボランティア団体に本格的な「芸能人海外ボランティア」ブームが巻き起こったのは4年ほど前からだ。各非政府組織(NGO)団体は芸能人の影響力大きさを実感した。2006年に俳優チャ・インピョさんが出演したMBCのドキュメンタリー番組『3万5000ウォンの奇跡』が放送されると、該当のボランティア団体には1カ月で約1万人の支援者が集まったという。
質素な身なりでボランティアにいそしむ芸能人は、写真展・雑誌のグラビア・ドキュメンタリー番組・記事などさまざまなメディアで注目された。今年設立20周年のNGO団体は「芸能人やメディアのおかげで、20-30代の会員が爆発的に増えた」と話す。特に、この1-2年で支援金が大幅に増えているそうだ。この団体に定期的に支援金を送っている人は計44万人。このうち、この1年7カ月間に加入した会員は20万人に達する。
最近は、自主的な参加でなく、各企業・NGO団体がPRのため芸能人にオファーするケースが増えている。企業がスポンサーとなり、芸能人にファーストクラスまたはビジネスクラスの航空機チケットを提供することも可能になった。「忙しい芸能人はボランティア団体から十分な説明を聞けないまま、あたふたと現場へ行きます。ボランティア活動に熱心な女優Cさんは、3年前にインドネシアの漁村に行った時、きっちり色白メークをして、スカートにハイヒールでした」。芸能人の海外ボランティア活動に十数回同行したという外注番組制作会社プロデューサーの話だ。
問題は、Aさんのように不適切な姿を見せた芸能人も全員、「天使」に作り上げられるということだ。あるNGO 団体関係者は「企業化している一部のNGOは、有名タレントにオファーしようと1000万ウォン台(1000万円=約72万円)をはるかに超える交通費を用意する。女性タレントで、同行者が3-4人いる場合は、団体にとっても大きな負担になる」と言った。
真剣にボランティア活動に取り組んでいることがよく知られているチャ・インピョさんだが、昨年の『週刊朝鮮』とのインタビューでは、かつて自身が取った行動を告白している。「ボランティアは本来、航空券代など活動に伴う費用を本人が負担しなければなりません。当時のわたしはどれだけお恥ずかしい状況だったかというと、資金に窮しているNGO団体『コンパッション』に飛行機のチケットを送ってほしい、と言ったほどでした。届いたのはエコノミーのチケットでしたが、『俳優には少なくともビジネスクラスのチケットを渡すべきでは』と、ビジネスクラスのものを要求しました。わたしは、それを自分のマイレージを使い、ファーストクラスにアップグレードしたんです。わずか3年前のことです。ほか(の人々)はエコノミークラスで行きました」(週刊朝鮮2056号)