笛木が『人生は美しい』で演じているのは、好きになった男が実はゲイだったと分かり、恋が実らないチェヨンという役。「実生活で彼氏がそうだと分かったらどうしよう、と考えることはあります。先天的なものだから、理解してあげなければならないし、特別な目で見てはいけないと思います。でも、チェヨンという役があまりにもみじめになってしまうのでは、と心配しました。日本でも同性愛は今やある程度自然に受け入れられつつあります。それに、チェヨンにはかわいそうだけれども、普通にいい友達として過ごす以外、ほかに方法がありませんよね」とクールに考えている。

 ドラマの中のチェヨンは、日本育ちの韓国人という設定だ。いつも外国育ちの韓国人や日本人役が多いことについてはどう思っているのだろうか。

 「二つの国で活動しているわたしをうらやましがる人もいます。だから、どうしたらわたしのようになれるか、質問されることも多いです。『まずは韓国語を完ぺきにマスターして』というのですが、実際にそうした人は誰もいませんでした(笑)。本当に好きでやりたいのでないなら、お勧めしません。わたしも、こんなにつらいということが分かっていたら、1カ所で活動していたでしょう」。

 そして、「今では、外国育ちの韓国人や、日本人を演じることを、自分の限界だとは思わない」とも。「努力して、完ぺきな韓国人に見えるなら、そうしたいです。以前はこれがわたしの限界かと思い、大きなストレスを受けました。いつも同じような役なので、視聴者の皆さんはちょっと飽きているかも。それでも、好きな韓国でこうして活動できるのだから、それだけでも幸せです」。

 望みがあるとしたら、2007年に撮影されたが未公開のままの映画『特別市の人々』が封切られること。「韓国での芸能活動をやめたわけではないのに、あの映画が公開されていないので、活動していないかのように思われています。あの映画に出ていた子役たちもすっかり大きくなってしまいましたが、いつかお披露目できるでしょうか」。

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