千年の古都・慶州が夜の闇に包まれる。とりわけ、新羅の月夜は格別だ。新羅時代の634年に善徳女王が創建した芬皇寺の石塔が月の光を受け、いっそう古都の情緒を堪能できる。

 石塔の周りにちょうちんを手にした人が集まり始めた。ちょうちんにはそれぞれの願い事が書かれ、人々は、塔の周りを歩き始めた。新羅の月夜の下、40人余りの参加者たちが3人ずつ並んで、塔の周りをゆっくりと回る。

 「千年以上前に建てられた塔の周りを、ちょうちんを持って歩くと、何ともいえない穏やかな気持ちになる。わたしたち家族がいつまでも幸せでいられるようにと祈った」

 京畿道富川市からやって来たイム・ホンボクさん(37)は、「家族と一緒にいい思い出を作りたくて、『月夜の新羅歴史紀行』に参加した」と話した。

 新羅文化院主幹で行われた同イベントは、日中は遺跡の見学、夜は美しい夜景とともに慶州の魅力をたっぷり味わうことのできるプログラムになっている。


 新羅文化院のチン・ビョンギル院長は「昨年、このイベントには国内外から6000人余りが参加し、韓国の代表的な夜の観光プログラムとして定着した。今年はドラマの舞台となった遺跡の見学や、仏国寺エリア、甘浦・東海岸エリア、瞻星台などを中心にイベントを開催する」と説明した。

 月夜紀行は午後3時から9時まで行われ、昼間は新羅文化体験で、新羅文化を直接体験できる。夜には、前もって配られたちょうちんに願い事を書き、火をともした後、それぞれの願いを胸に塔の周りをゆっくりと回る。

 そして遺跡に移動し、国楽の公演を見たり、焼きジャガイモを味わうほか、天体観測など夜のプログラムを楽しむ。

ホーム TOP